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不定期発行
12月11日号 |
原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主 |
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英国タバコ
第一部 英国タバコのテイスティングにあたって |
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ティスティングを始めて、それなりの時間が経過した。
また、パイプ物語も連載が終了して、一句切りがついた感がある。
この辺りで、何か面白い企画は無いものかと考えあぐねていたが、その思考の矛先がある一つの重要な事実に行き着いたのである。
「パイプのメッカ」英国タバコのテイスティングに着手していないのではないか。
確かに、5年以上に及ぶティスティングの中で、ダンヒルタバコ・BBB・ラットレイ等を取り上げて来た。
また、本格派と言って差し支え無いマクレーランド・ビュッテラ・アッシュトンも吸っては来た。
しかし、しかしである。
様々な所から、それらのタバコの情報を集めた結果は意外なものであった。
昨今のタバコ事情は、その業界全体に製造依託や・製造工場の統配合が進んでいる。
卑近な所で上げれば、日本に馴染みの深い、JT・ボルクムリーフ・アンフォラ、これらは日本・スウェーデン・オランダからデンマークに製造が移った。
また、以前にも紹介したが、ラットレイにBBBがドイツのコールハス社製造。
ダンヒルにしても製造は現在デンマークであると風の噂で聞いている。
この様に製造依託の進んだパイプタバコ事情ではあるが、どのブレンドにしても「レシピを忠実に再現する」事になっている。
しかし、様々な情報を知ってしまってからは、その謡文句を鵜呑みにする訳にはいかない。
ある所からの情報によると、同じ銘柄のシガレット(例えばマイルドセブン)にしても、ソフトケースとハードケースとでは微妙に味が違うそうである。
その原因は、製造工場の違いにあるとの事であるが、たとえそれが全く同じ銘柄のシガレットであったとしても、製造工場が違えば、味わいに微妙な差が生じるとの事である。
もっとも何も考えずに煙を吐いているスモーカーにとっては大した違いではないだろうが、それなりに拘っているスモーカーの中には、味わいの違いに気付く人もいるそうである。
上記の様なマスマーケティングの代表、JTのシガレットでさえそんな実情であるのに、より味にうるさく、タバコにこだわったパイプスモーカーにおいて、微妙な味の違いは大問題である。
さらにパイプタバコに置ける製造依託は、その製造国までもが変わってしまっているのである。
結果、原料タバコの購入ルート・メーカーの特徴・ブレンダーの趣向性・タバコ文化まで変わってしまう訳である。
タバコを全く同じ味わいに仕上げる事が可能であると、考える方がおかしいと思う。
最近のパイプタバコは味が変わってしまったと、嘆くスモーカーの話を時々耳にするが、実に頷けるところである。
その結果、本格的なイングリッシュブレンドに位置づけされるタバコと言えど、その正体はドイツ流にアレンジされたタバコであり、デンマークで育ったタバコであり、アメリカで好まれるタバコに作り替えられてしまった物ではないか。
この様な疑問に行き着いたのである。
ところが、捨てる神あれば拾う神あり。
まあ、この例えが適切であるとは到底思えないが、百花繚乱時代を迎えた日本のパイプタバコ事情が逆に幸な事態を生み出した。
それは、「パイプのメッカ」イギリスにおいて、古くからの伝統を守り続けるメーカー、サミュエルガース等の、タバコが購入可能になった事だ。
パイプ物語の「スモークイン東京」では、パイプの伝播について触れているが、パイプの伝搬の歴史が、パイプタバコの歴史に大きな影響を与えていると考えられる。
その視点からとらえると、パイプタバコの発祥の地であり、最も早くからパイプ文化が花開いたイギリス、その歴史の生証人とも言えるイギリスの老舗タバコ製造メーカー。
ここをパイプタバコの原点とし、今一度テイスティングをし直す事で、新たな発見があるのではないか。
そんな期待を持ちながら、英国製造メーカーの手による、パイプタバコのティスティングを進めて行こうと考えている。
何分アイテムが多数に及ぶので、長い目でお付き合い願います。
又、パイプタバコの世界において、最も長い歴史と存在感を持つ英国タバコである。
具体的なテイスティングに入るにあたり、この第一部を加え三部構成で英国タバコに対する見解を紹介する予定でおります。
テイスティング本編のアップまで、しばしのご猶予をお願い致します。 |
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テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。 |
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