不定期発行
7月31日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


単葉(トーベンダンスク)前編  
パイプタバコを学ぶ為に一通り買い揃えて見たが、やや後悔気味と言うのが偽らざるところである。
しかし、こんな酔狂な事を他人に勧める訳にも行かないので、簡単ではありますがテイスティングをアップする事となりました。
まあ、何かの足しにはなるでしょう。
しかし、どうしようこのタバコ(嘆息…)

(総評)
総評と言ってもあくまでもヴァージニア中心である。
パイプ物語の「タバコ葉に対する一考察」でも書いたが、ラタキア、ペリック、オリエントについては、ぶっちゃけた話ブランドの違いもメーカーの違いも無いだろうと考える。
従って、ダンタバコ(トーベンダンスク)の特徴として考慮に入れなければならないのは、ヴァージニアとキャベンディッシュのみで事足りると思う。

さて、本題の総評であるが、一言で表現してしまえば「同じドイツの製造元」コールハスと良く似ている。
計4種類のヴァージニアを試してみたが、どれも標準的なキザミでベーシックな趣のタバコばかりである印象だ。
尤も、サミュエル・ガースに見られるヘイタイプ(干し草の香)とまでは行かないが、さりとてアメリカンなヴァージニアの濃厚な酸味とも違う。
さらに、ベースタバコと言っても、デンマークタバコに見られる、サッパリ・サックリ系のものとも違い、ネットリした旨味も十分感じられる。

簡単に言えば、イギリス(ヴァージニアブレンド・ラタキアブレンド)タイプに適したタバコで、マクレーランドとサミュエルガースの中間位に位置する味わいだと思う。

兎も角、コールハスの製造委託タバコには、ラットレイとBBBがある事を考えると、このトーベンダンスクの単葉、それなりに期待できるタバコである。

ここで、さらに付け加えるが、以前JTで売られてい単葉(ストレート)タバコに比べ、十分にパイプタバコとしてこなれた物となっている。
このJTのストレートタバコであるが、はるか昔の定かでない記憶によると(大汗)、シガレットとしてはそれなりだったと思うが、パイプタバコとしては少々疑問の残る味わいだった・・・と思う。
それに比べれば、トーベンダンスクのストレートタバコは、それなりに吸えるタバコとなっているので一安心である。


ラタキア(キプロス)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1700円
形態 丸缶

色は黒色と言える程の褐色である。
刻みも標準的なリボンカットではあるが、良く観察すると「燻されていた時のタバコ葉そのままの形」が、想像できる様な雰囲気を残している。
香りは典型的なラタキア香。
缶を開けた途端、「目に染みる」に近い感覚でピュアな燻製臭が立ち上る。
しかも、同系統のタバコ「ラタキア(シリア)」に比べ混じり気が少なく、より線の細い鋭い香気だ。
従って、ブレンドの際も、極少量でラタキアブレンドを演出できるのではないかと思える。
又、混じり気の少ない香り、味わいなので、ブレンだーにとっては、ブレンド後の味わいを計算しやすいタバコではないだろうか。
タバコで言えば、レッドラッパリーや、BBBのイングリッシュブレンド等の、線が細く各々のタバコがバランス良く立ち上がるブレンドに向いている様な気がする。
又、アロマティックブレンド等にアクセントとして、微着香程度に入れるのにも向いていそうである。

ラタキア(シリア)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1600円
形態 丸缶

外観はキプロスと瓜二つであるし、香りの方向性も同一なタバコではあるが、双方を比較した場合、原料であるオリエントの雰囲気を、やや多めに残していると感じる。
従って、キプロスの様な、ピュアで鋭いラタキア香に混じり、オリエント的な線の太さ、コク、酸味などを感じる事ができる。
その分、ラタキア香の強さはややマイルドになるが、中々複雑で面白いタバコである。
しかし、これをブレンドに使うとすると、キプロスよりもブレンド計画が難しいのではないかと邪推する。
私見からすると、ドメスティック(土臭い)オリエントと合わせて、ボディーの強いブレンドが合うのではないかと考える。
又、ラタキア香がややマイルドで、オリエント由来の色々な香りの要素を持っている為、少々多めにブレンドしても、ラタキアの味わいが強く出過ぎないタバコなのではとも思える。
従って、ラタキアを中心にしたブレンド(もしかしたらサミュエルガースのコモンウェルズや、ラットレイで言えばセブンリザーブ)にも向いているかもしれない。

ヴァージニア(マイソール1.6)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1,300円
形態 丸缶
行き付けのタバコ屋で偶然見つけたタバコである。
タバコとしてはライトヴァージニアのリボンカットと言ったところだが、色調は少々まだらで、レッドヴァージニアっぽいタバコも混じっているかもしれない。

ハチミツ様の甘酸っぱい香で、同じライトヴァージニアであるザイールより甘く、洋酒様な揮発性の甘さまで感じる。
ん〜この揮発性な香、チョコレート様も少し混じっているか。
吸った感じも、ダンヒルのライトフレイクに近く、トーベンダンスクのヴァージニアでは、一番分かり易く吸い易いタバコである。
個人的な見解ではあるが、単葉のまま喫煙して、何の問題も無い。(ただライトヴァージニアのせいなのか、多少煙に粗っぽさが有ると言うか、口に少し痛い)
マイソールではこの他、(多分ではあるが)レッドとフレイクがあるが、どれも単葉のままで充分に旨い。
またザイールに比べ、後半の喫味の崩れが少ないところも嬉しい。

このトーベンダンスクのヴァージニア(マイソール産のラインナップ)、ドイツの製造メーカー「コールハス」のタバコと良く似た雰囲気に感じる。
従って、デンマークや、マクレーランドのベースタバコではなく、ラットレイのベースタバコを彷彿とさせる味わいに感じる。

ヴァージニア(レッドNo.3)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1600円
形態 丸缶
産地に表記はないが、香や味わいから推測すると、ザイール等のアフリカ系のタバコではなく、マイソール(インド)である。
熟成度合いで表記すれば下記の様になる。

レディーラブド>レッドbR>マイソール1.6
(フルに近い ・ レッド ・ ライト)

従って、味わいも甘味がやや少なく、酸味が強めである。
まあ、このタバコの感想を、非常におざなりに表現すれば、上の表どうりで、レディーラブドとマイソール1.6の中間的な、味わいと香りである。
まあ、レッドヴァージニアであるので、軽快な酸味とそれなりの甘さ、さらにタバコとしてのボディーも、それなりに楽しめるタバコには違いない。
従って、ヴァージニアタバコの骨格にし易いタバコかもしれない。

ヴァージニア(マイソール・レディーラブド)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1,500円
形態 丸缶
熟成感のある酸味
色はレッドヴァージニアよりやや暗めだが、フレイクに濃い茶色も混ざる。
香、味わいともシッカリとしていてバランスが良い。
甘み、酸味、旨味、どれも分かり易く、単葉でも問題なく吸える。
一言で表現すると(クリスマスチアー)のアッシュトンバージョン。
やや単調なきらいらあるが、なかなか美味しく、熟成感の有る、コッテリ系のヴァージニアに仕上っている。
ベースタバコに、コクや落ち着いた味わいを求める時にブレンドしたいタバコである。

ヴァージニア(ザイール)

製造 ドイツ
ストレートタバコ
価格 1,500円
形態 丸缶
トーベンダンスクのヴァージニアの中では一番明るい色調だ。
まあゴールデンヴァージニアまでは行かないが、酸味、熟成感もマイソールに比べ大人しい、色合いもややくすんだ感じである。
タバコとしては、ライトヴァージニアのリボンカット(1.6)クラスだろう。
ライトヴァージニアらしい、ハチミツ様と称される甘酸っぱい香で、草様の香りも混じるが、それがやや枯れた感じがする、ヘイタイプ(干草の香り)に近いだろうか。
味わいとしては、同じアフリカのジンバブエに近いのかもしれない。(ただし、今回ジンバブエは購入出来なかった)
ヴァージニアの系統としては、デンマーク物(ラールセンのフレイクカット)と同系統だと感じる。
マイソールに比べ、旨味的には少し水っぽい。
又、熟成の浅さ故か、多少煙に粗さがあり、後半は丁寧に吸わないと、味わいにエグミが出る様に感じる。
単独で吸うには、やや力不足ではあるが、サッパリ系を目指すならば、ブレンドしたいタバコではないだろうか。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。
 次号へ

目次へ戻る


トップページへ戻ります 1つ前にページへ戻ります メニューページへ

ホームページ上の全てのファイルは、リビングショップ安藤(有)に帰属します。無断で、使用する事を禁じます。
L.S.A(リビングショップ安藤)ホームページ
Copyright (C) LivingShopAndo All Rights Reserved