不定期発行
5月20日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


キュービック  
キューブカットのタバコ、ボンドストリートが無くなって、お目に掛かる機会も希少となってしまったが、パイプタバコの充実が目覚しい昨今、GLピースのバーバリーコーストと共にお目見えした、本格的なキューブカットである。
その肝心な形状だが、正方形に近いのもあれば長方形も有りと、サイコロ状と言うよりは、ペレットと表現した方がシックリ来る。
まあ一言で表すと、厚くスライスされたフレイクタバコを、詰め安いサイズにカットした、こんなところだろう。
実際手に取ってみれば分かるが、キューブは結構堅くシッカリとしている。
水分含有量もその形状故か、それなりに高そうだ。
しかも、タバコの形状が形状なだけに、リボンカットに慣れたスモーカーには、やや喫煙が難しいタバコに仕上がっている。
まあしかし、双方ともチャントしたコンセプトを持って作られたタバコである様だし、試して見る価値はあるだろう。

スィートチェリー
製造 ドイツ
ヨーロッパタイプ
価格 1300円
形態 角缶
缶を開けた瞬間から香立つチェリー、目に泌みると表現するのが適切かもしれない。
ブレンドの表 記は、アロマティックヴァージニアに、何とかバーレー、更にキャベンディッシュの表記、しかし表記がドイツ語である、理解し難い事この上無い。
葉組は、ライトとダークなヴァージニアに、赤茶色(レンガ色)で多孔質なバーレーである。
キューブを崩した感じは、やや柔らかい印象で、見た目もクリームナッツに比べ、ボヤけた感じか。
ただ、バーレーだろうか、指にベタ付きがある。
あらかじめバーレーにチェリーキャベンディッシュ処理を施してから、堆積圧縮をしているのかもしれない。
従って肺喫煙でも揺るがないチェリーフレーバーとなっている。
吸った感じも、煙量が有りバーレーキックもシッカリしている。
煙もザラつきがあり、タバコの甘味もドライな感じで、チェリーフレーバーが立って来る。
また、その作りの所以か、香立ち・香の持続性、共に良い。
香を楽しむにも、肺喫煙するにも適している。
もしかすると、このチェリーフレーバーは、キャベンディッシュとトップフレバリングのダブル処理をしているのかもしれない。

クリーミーナッツ
製造 ドイツ
ヨーロッパタイプ
価格 1300円
形態 角缶
ナッツ系のタバコである、クリーミーな油っこさが想像できる、個人的には楽しみなタバコだ。
早速、ブレンドの確認をしたが、妙な事にバーレーの表記が無い。
タバコの説明は缶の中敷に記載されているが、私にとってはチンプンカンプンなドイツ語である。
その見なれぬドイツ語の表記、見落しは無いかと何度見直しても、ヴァージニアの文字しか見つからない。
確認の為に改めてスィートチェリーと比べてみた。
確かにクリーミーナッツは、多孔質なタバコ葉は見られない。
キューブ自体もやや堅目で、色合いも、白と黒のコントラストがハッキリしている。
吸った感じも、煙立ちが少なく、ウェットな口当りである。
試しに吸い込んでみたが、バーレーキックは無いと感じた。
おそらく中敷きの表記が正しいのだろう。
香の方もそれほど強くは無く、ナッツ系と言うだけあり、香の帯域も中音である。
従って香が鋭く立ちあがる事無く、ウェットなヴァージニアの旨味に、ナッツを食べた時の油っこさを加えた様な、マッタリ系の味わいになっている。
恐らく、ナッツ系の香、ネットリとした旨味に対して、バーレーのドライな味わいは合わないのであろう
そこで、ネットリ目で甘味も際立たない、落ち着いた味わいのヴァージニアを合わせたブレンドになったと考える。
このキューブカット、同じドイツ系のタバコと言っても、そのコンセプトは明らかに別物である。
片方は、アメリカタイプに近い、香と煙の刺激を重視したタバコ。
片方は、楽しみ易いイギリスタイプを目指したかの様な、ヴァージニアブレンドと、それぞれに違った個性を表現したタバコとなっている。
ただしそのブレンドのせいか、スウィートチェリーに比べ、火付きの良く無いタバコになってはいる事は否めないが、一度試してみるのも面白いと思う。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
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