不定期発行
6月20日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


フローラルタイプのヴァージニア

さてフローラルタイプのヴァージニア、私が勝手に命名した妄想的名称だが、これには深い訳がある。
それは今から遡る事、十数年前の出来事である。
日本で購入できるタバコの種類が限られていて、ヨーロッパのタバコがそれほど出回っていなかった時代。
実はこの頃吸ったイギリスタイプと言われていたタバコに、一つの疑問を持ったのである。
そのタバコとは前述のダンヒルライトフレイク・同ロイヤルヨット、エリンモアさらに言えばピーターソンのシャーロックホームズ(19世紀後半、イギリスで好まれた古典的なブレンドと言われている)等である。
これらは香料規制がされていたイギリスで作られたブレンドであるはずなのだが、パイプ喫煙初心者だった私にも、それなりに吸いやすいタバコであった。
その原因は、着香タバコに匹敵する香・味わいを持った、分かり易いヴァージニアブレンドにある。
「これが本当に香料を使用せず、ヴァージニアのみで作られたタバコなのだろうか」
この設問は十数年解ける事の無いわだかまりとして、常に頭の中を行き来していたものである。
しかし英国タバコのテイスティングを始め、ジャーマインを深く検証する事によって、積年の疑問が氷解した。
もっともこの件に関しては「単なる私の妄想」に終る可能性・・・特大ではあるが、野次馬根性で読み進めて行っていただきたい。
と、前振りはこの辺りで止めるとして、早速本題に移る事にしよう。

フローラルタイプのヴァージニア、こちらで取り上げるのはミディアム・フレイクとプラムケーク。
どちらもゴールデンヴァージニア使用のタバコである。
これらのタバコであるが、ヴァージニアブレンドの中では、香と甘味を重視したタバコの位置付けだと思う。
そして、そのブレンドのキーワードとなるのがゴールデンヴァージニア。
このゴールデンヴァージニアに関しては、ジャーマインのテイスティングを通して、様々な検証・推測を積み重ねて来た。
その結論、もちろん現時点における独断ではあるが、それは「ゴールデンヴァージニアは、ヴァージニア界のキャベンディッシュの位置付け」と見て良いと考える。

ここで視点を変えて、蜂蜜の味わいについて検証してみよう。
蜂蜜、これはどちらかと言うとクドくやや刺激のある甘さである。
それをもう少し分析すると、植物由来の為せる技か蜂蜜の特徴は、やや青臭い様な刺激のある香である。
ここでハタと気付いた人はスルドイ。
そう、ヘイタイプの干し草様の香のタバコに、最も甘味を引き出せる処理を施し、そこに甘味を添加する類の強いケーシング(天然由来の物)を施したらどうなるであろうか。
蜂蜜様の分かり易い味わいのタバコになりはしなだろうか。
もっともこれは単なる私の独断的妄想に過ぎないが、当たらずと言えど遠からずではないかと思っている。
ただし、このゴールデンヴァージニアがどの様な方法で何時の時代に開発されたか、そこまでは調べてはいない。
しかし、これから紹介するフローラルタイプのヴァージニアブレンドにとっては、なくてはならないファクターである事に間違いはない。

さて、そろそろ紙面が詰まってきたので話をまとめるが、私的見解によればフローラルタイプのヴァージニアは、以下の範囲内に分類されそうである。
その範囲の右端が最もゴールデンヴァージニア寄りの味わい、蜂蜜様「別名GVマックス」とすれば、最もゴールデンヴァージニアから遠い味わい「別名GVミニマム」は、紅茶様の味わいと規定して良いのではないかと考えている。
この辺りのカラクリについては、テイスティング本編に譲る事とし、早速左端に近いタバコと考えているミディアム・フレイクのテイスティングから入って行こう。
ただし、この後のフローラルタイプのヴァージニアに属するタバコのテイスティングは、「人工的な着香を施さず、ブレンドのみで作られているタバコ」だという事を前提にして行いますのであらかじめご了承ください。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。
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