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不定期発行
5月2日号 |
原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主 |
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テイスティングノート寄り道 2部作 ヴァージニアタバコ喫煙法 1 |
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ジャーマインをテイスティングしている最中、「これはヴァージニアタバコの喫煙法に、触れなければならないのではないか」と言う思いに駆られたので、ここで少し説明する。
ただし!!!
これはあくまでも、独学で体験してきたパイプタバコによる、独善的私見に過ぎない事は、しつこい様だが再三再四お断りしておきます。
ヴァージニアブレンドの喫煙法、これの基本は何と言っても低温燃焼に尽きる。
「パイプ物語」で詳細を解説しているが、タバコその物の味わいは天然由来の成分であり、熱によって破壊されやすいと考えている。
又、ヴァージニアブレンドは人工的な味付け・香付けをしていない分、味わい・香共に「ほのかで柔らかい」。
従って出来るだけ低温、極端な事を言えば不完全燃焼ギリギリ位の喫煙技術が求められると考える。
そこに、今回はもう一つのヴァージニアブレンドの喫煙法を加わえてみよう。
これは「パイプ物語」の最終で紹介した、老舗タバコ屋のご主人が提言するものである。
「ヴァージニアブレンドを真に味わうには、チャンバー径25mm以上のパイプが適している」
確かこれは、対象となるタバコが「ラットレイのマリンフレイク」だったと記憶しているが、この喫煙法について更に掘り下げて書いてみよう。
ところで、「チャンバー径25mm以上のパイプでヴァージニアブレンドを吸う」と聞いて、疑問に思うスモーカーもいる事だろう。
確か、ヴァージニアブレンドの喫煙に適したパイプの紹介で、良く目にするのが小ぶりなストレートパイプである。
「ヴァージニアブレンドは、小ぶりなパイプでチビチビ吸うのが良いのであって、そんな大口径のパイプでは、火床全体に火を廻す為に強めに吸わなければならない、過燃焼になりはしないか」
もっともな話である。
私も同じ疑問を持ったのが実情である。
そして、その提言の検証の為に幾つか大口径のパイプもそろえた。
最大口径はなんと25mm、喫煙に必要なタバコの量はミディアムサイズの3倍近い、
燃費が悪い事この上無い。
で、肝心の大口径パイプでの喫煙法だが、私は相変わらず「ミディアムサイズのパイプと同じで、チビチビ・ケチケチ」吸っている。
「それじゃぁ、火を火床全体に廻すのは不可能じゃないか」
まあ、こう考えるのが妥当であるし、事実その通りである。
それで大丈夫かと思われる方もいると思うので、あえて喫煙の詳細に触れてみる。
まず最初の火入れ、火床を作るところだが、マッチを2〜3本使用し、火入れと火床のならしを数回繰返し、全体が黒変するまでシッカリと火を廻す。
そして、喫煙開始で火を全体に乗せたら、後はチビチビ・ケチケチ吸う。
肝心の火であるが、チャンバーの真中だけでくすぶっている。
しかしこんな喫煙であっても、真中付近の小さ目の火種で周囲のタバコを黒変させる事はできる。
煙が弱くなったら、チャンバー壁付近の黒変したタバコを、タンパーで火種に向けて崩しながら平な火床にすれば、喫煙はそのまま続けられる。
そして再びチビチビと吸い、しばらくしたらチャンバー壁付近の炭化したタバコを真中付近の火種に向かって崩す。
何やら周りクドイ説明であるが、簡単に説明すると「チャンバーの内側にもう一つ、タバコのチャンバーを作る」こんな雰囲気である。
この様な喫煙をする事によって、タバコをよりピュアに味わえるのではないか、私はこんな風に感じている。
タバコその物をチャンバーとして考える。
少々極端な言い回しだがこうする事により、パイプ素材の香・その他で生じる異味の混入等を、タバコで作られたチャンバーが可能な限り防いでくれる。
もしくはチャンバー(タバコで出来た)から、ヴァージニアの旨みのある煙と香りが滲み出て来て、より旨いタバコを演出してくれると考えている。
結果、低温燃焼、異味の混入防止、大きな径による繊細で複雑な味わい等、ヴァージニアブレンドを楽しむ様々な喫煙が可能になると考える。
ただし、この喫煙法はフローラルタイプのヴァージニアには、それほど適してはいないのではと考えた。
と、ここから先は文章が少々助長になる危険性がある為、「ヴァージニアブレンドの喫煙法 2」にまかせる事として、今回はここまでで失礼させて頂きます。 |
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