ルイロペスのテイスティングノート1

不定期発行
3月4日号

原作　ルイ・ロペス
作画＆管理　店主

アッシュトン・フレーク

　今回はアッシュトンのヴァージニアブレンド２種を比較してみた。
オールドロンドン（１００ｇ缶）ブラックパロット（１００ｇ缶）とも、ラットレイや、サミュエルガースと同系統に分類してよいタバコだとの感想である。
ただしアッシュトンと言えど、ヨーロッパ工場の物と、アメリカのマクレーランド工場の物は、全く別物と言って良いので注意が必要である。
今回試した２品は、いずれもヨーロッパ工場のもので、個人的に非常に好みのタバコとなっている、値段はそこそこ高いが、それ相応に楽しめる。
さしあたって外見からの紹介になるが、双方とも正方形に近いコンパクトな缶で、持った感じはズッシリと重い。
旨いタバコが、ミッチリ詰まった感覚である。
缶を開けてタバコの形状と香りを確認する。
フレイクは標準サイズで、それが上下２列に行儀良く重ねられている。
見た目も、香りもほぼ同等と言っても過言ではない。
さて、タバコとしての系統も、見た目、香りともに区別の付きにくいタバコ２品。
しかも2品とも、非常にベーシックな作りで、ケーシングも到って弱い、ブレンドと熟成の違いだけが勝負と言えそうだ。
一言で表現すると、タバコそのものを楽しむ為の、上級者向けタバコと言ったところだろう。
ティスターとしての真偽が試されそうな一品である。

アッシュトン・ゴールデンフレーク
製造　　ＥＥＣ
イギリスタイプ
売価　１，９００円
内容量　５０ｇ
形態　　角缶

取りあえずは、タバコの外見から見るが、色はロータリーマイルドに比べ、明るい色と黒い部分のコントラストが鮮明な印象である、ゴールデンヴァージニア由来であろうか。
さらに香りを確認すると、ややライト系で、草系の甘さがゴールデンブレンドの方が、するどく立ち上がる印象である。
表現を変えると、デンマークのヴァージニアフレークから、ザックリ感を削り、タバコ感をプラスした印象。
又、ダンヒルのライトフレークと比較すると、甘い香りのケーシングを削り、タバコの質を高めた雰囲気か。
まあ、正統派のゴールデンヴァージニア、ゴールデンフレイクと言って良いと思う。
味わいはケーシングが弱く、ベーシックなヴァージニアブレンドであるが、ロータリーマイルドに比べ軽快で、甘味が分かり易い。
その分、マッタリとした旨味に欠け、煙もロータリーに比べ、やや粗い印象だが、ドライな切れ味と言っても良いかもしれない。
ヴァージアの甘味が分かり易いし、香も(フルーティなハチミツ風)と表現しても過言では無いと感じる。

ロータリー・マイルドフレーク
製造　　ハンブルグ
イギリスタイプ
売価　２，０００円
内容量　５０ｇ
形態　　角缶

バージニアのフレークタバコ。アッシュトン・ゴールデンフレークの姉妹品。逸品「富士」を彷彿させるタバコでるとカタログにあるが、さてどんなものか。

ゴールデンフレイクに比べると、タバコの色調はやや暗めである。
ゴールデンヴァージニアの特徴である、黄色に近い茶色のタバコがブレンドされていないのが原因だと思われるが、全体がモノトーンに近い茶色で、落ち着いた雰囲気のフレイクである。
早速香りを確認したが、ゴールデンフレイクに比べ、酸味とコクがやや強い印象だ。
さらに、ジックリと観察すると、この酸味とコク、カプスタン・ネービー・フレイクの水色缶と共通する香りである。
で、缶を再度確認すると「ネービー・カット」の表記、納得である。
多分、ネービー・カットと同様、長期の熟成による嫌気発酵を感じさせる。
味わいはシッカリとしたタバコ感。
ミカンで言えば、酸味と甘味のバマンスの良い、コクの有る味わいである。
口に残る旨味は、ゴールデンフレークに比べ、マッタリ、ネットリした印象だ。
もっとも、アッシュトンの軽快さが基本に有る為、マクレーランドの濃厚な味わい迄は行っていない。
しかし、このタバコ、少々喫煙技術を要するのではないかと思う。
私がテイスティングの為に、チビチビと吸った感じだと、草っぽい甘さと、熟成による酸味が50・50になるバランスで作られている印象だ。
故に、ジックリ味わえば、甘味、酸味、タバコ葉の香等の複雑さを楽しめるが、雑に喫煙すると、何の変哲も無いタバコになりそうである。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。

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