不定期発行
9月16日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


JTタバコ2(マックバレン製造) 「ビックホーン以降」
ここで再びJTタバコを取り上げる事にするが、故あってビックホーン以降のタバコを予定している。

その最大の理由は、マックバレンが、レディーラブドをメインにしている。
更に言えば、得意としているメーカーであるところにある。
このレディーラブドであるが、デンマークタバコにおいて主役の座にいるタバコであり、マックバレンを語るにも、ヨーロッパタイプのタバコを語るにもはずす事の出来ないものである。

以前にもJTタバコについて言及しているが、JTがレディーラブド製法を取り入れたのはビックホーンからである。
従ってパイプ物語で紹介してきたJT物は、ブレンド重視の飛鳥、桃山(イギリスタイプ)と、香料重視のロックンチェア、プロムナード(アメリカタイプ)であった。
これらはいずれもミクスチャータイプで、数種類のタバコ葉をミックスしたものだ。
従って、レディーラブドを得意としているマックバレンとの相性は、正直今一であったと言わざるを得ない。

しかし、ビックホーン以降のブレンドとなると話は別である。
もともとビックホーンが目指したのがヨーロッパタイプである。
しかもヨーローパタイプのブレンドの中でも、香料とブラックキャベンディッシュを多様したダニッシュではなく、ベースタバコを活かすダッチ、これを目指したタバコではなかったかと推測している。
この様に、ビックホーン以降のJTタバコは、どれも微着香タイプでダッチに近いコンセプトのタバコに分類しても良いと思う。
(もっとも、日本初のブラックキャベンディッシュとなった「カピートシリーズ」は除く事になるが。)

実はこのコンセプト事態が、マックバレンのタバコ(レディーラブド)と相性が良いと感じている。
そんな訳で、本格的なヨーロッパタイプを目指したブレンド、ビックホーン、シルクロード、フォレストに関しては、テイスティングする以前から楽しみにしていた訳である。
それではいよいよ、JTタバコ(マックバレン物)の真打ち登場とあい成ります、多少は楽しみにしておいて頂いて結構である。

ビッグホーン2(黒)
890円
製造  デンマーク
タイプ ヨーロッパ
内容量 50g
形状  パウチ
今は無きJT物の中で、一時期の間、お気に入りにしていたタバコである。
それは丁度パイプにも慣れ、着香タバコの甘ったるさがクドく感じ始めた頃だった。

まずはその着香だが洋酒であり、それほど強く施されてはいない。
タバコの形状はゴールデンキャベンディッシュ、すなわちレディーラブドである。
そして当時の(専売公社)ブレンド事情を考えるとブラックキャベンディッシュは使われてはいない。
一言で説明すれば、スコティッシュタイプのタバコの範疇に入ると言う事である。

しかしJT物全般に感じる事であるが、ベースタバコのコンセプトが、パイプタバコの為の原材料選びと言うよりは、ピースやホープ等のシガレット技術を土台としたベースタバコに思える。
従ってJT物のベースタバコの味わいは、パイプタバコとしてはピュア過ぎる、もしくは複雑さに欠ける。
結果として、パイプタバコとしての落ち着きや、まとまりの良さにやや欠けると感じる。
ただ、このビッグホーンであるが、ラタキアを小量加える事により、JTのベースタバコの欠点を補い、落ち着いた感じの面白いタバコに仕上げている。
あえて言うなら、フォンアイケンのプライベートストックから、BCのテカテカ観を抜いた感じに近いだろうか。
この様に、基になるJTのタバコが、「落ちついたベースタバコ」と言ったコンセプトであった為だろう。
マックバレン物のビックホーンに関しては、非常にブレンド(少量のラタキア)とベースタバコの相性が良いと感じる。
JT物が、ラタキアによって無理矢理落ち着いた感を出そうとしているのに対し、これは自然な感じでまとまっている。
香料もベーシックな洋酒風味だけだし、吸い易いスコティッシュとなっている。
もしかすると原作以上に旨いタバコになっているのではないか、そんな事まで感じさせる。

ビックホーン(アプリコット)
890円
製造  デンマーク
タイプ ヨーロッパ
内容量 50g
形状  パウチ
このタバコは、ビックホーンを吸い易くする為、香料にアプリコットを使ったものである。
従ってベースタバコはビックホーン(黒)と同じで、香料だけ変えたものと思われる。
着香もそれほど強くはない。
そんな訳で、ビックホーン(黒)に引き続き、ビックホーン(赤)についても、マックバレンのレディーラブドと相性が中々に良い。
原作のJT物を越えていると感じるタバコである。
これについては、ガムベースを連想させる様なバッサリ感のある、マックバレンのベースタバコがそうさせていると思うが、実にベリー系と言うか果実系の香料と相性が良い。
フレーバーが相性良くベースタバコと馴染んでいると言った趣である。
それに引き替え、JT物は「シガレット由来のベースタバコにアプリコットの香料が乗っかっている」だけで、タバコと香料の間に、やや無理矢理感がある。
もっとも、このビックホーンのコンセプト自体が、疑似ヨーロッパタイプとも言えるので、無理も無い話である。

ところでこの疑似ヨーロッパタイプ。
以前にも書いたが、パイプの書籍で紹介されていた「楢崎マスターブレンダー」のレシピと、味わいがソックリなのである。(レシピ : 桃山・ロックンチェア・飛鳥)
実はこのレシピ、何度か自分でブレンドし吸って見た事があるが、手軽に作れて結構旨いタバコになった、まあお勧めブレンドであった。
(もっともこのレシピは、JT物を使用する事が、前提ではあるが)
かなり話が脱線したので元に戻すが、ビックホーンは黒でも赤でも、原作を超えたタバコになっていると感じる。
その理由が、「ビックホーンの目指すタバコが、マックバレンのレディーラブドに存在した」、こう言い切っても、それほどハズレてはいないだろう。

次週予告 フォレスト ウィスキー2 シルクロード2

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
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