不定期発行
10月11日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


コルツ・アメリカンミクスチャー

製造国 デンマーク
タイプ ヨーロッパ
価格  900円
内容量 40g
形態  パウチ
さて、格安タバコの第一段のティスティングとなるわけだが、説明する必要もなさそうである。
それと言うのも、コルツシリーズのタバコの香り、アメリカンそのものである。
それは伝統的なアメリカンタバコ、ブラック&マイルド、キャプテンブラックこれらと同系統の香りである。
これはあくまでも私見にすぎないが、ケーシングソースにメープルシロップを多用した原料タバコが使用されているのだろう。
しかし、タバコの葉組を調べてみると、どうも勝手が違う。
アメリカを代表するキャプテンブラックの黒や、ブラック&マイルドが真っ黒に近い葉組なのに対し、コルツのブレンドは、ブラックキャベンディッシュの黒に、ヴァージニアの黄土色、バーレーのレンガ色とバランス良くブレンドされている。
そのバランスは、以前に安価タバコで取り上げたキャプテンベスター(個人的には肺喫煙イケイケドンドン的な雰囲気)とも違う。
確かにコルツは香り・味わい共に、メープルシロップが効いているアメリカンミクスチャーではある。
しかし、ブラックキャベンディッシュの甘さもしつこくなく、バーレーの刺激もガツンとは来ない。
そこはヨーロッパタバコの雄デンマーク(多分・・・)、アメリカンタバコと言えども、上品に仕上げている。
価格・味わい共に万人受けするタイプのアメリカンミクスチャーとなっている。
初心者や、アメリカンタバコの試し吸いには持って来いと言えよう。

いつもであればここで終了となるところだが、何回かティスティングしている間に気づいた事がある。
それがチョコレートの香り。
コルツはデンマークタバコが仕上げたタバコである、アメリカタバコの定番であるケバケバしい甘さがない。
その為、使われている香料が前面に出てくる、それがチョコレート香。
しかし、それはヨーロッパタバコにあるチョコレートブレンドのタバコとは違い、チョコレートを演出する為の香料では無い。
あくまでもアメリカ人が好む、ガッツリとした甘さを演出する為の材料である。

お恥ずかしい限りであるが、このコルツをティスティングして、初めてアメリカンブレンドを理解した。
あの何者をも凌賀する甘い香りの正体。
これはあくまでも私見ではあるが、アメリカンブレンドの味わいの構成は以下の通りである。
まずタバコのキャラクター、これの骨格を担うのが、メープルシロップのケーシングとブラックキャベンディッシュ。
そこに高域の甘さを担当するバニラと、中域の甘さを補完するチョコレート。
この甘い原料の三位一体が、パイプ界で「甘いタバコの横綱」を張る味わい、これを生み出していたのである。
まあ、いつもの事ながら眉につばでも付けて聞き流してほしい解説ではあるが、アメリカンブレンドに対する私の解釈は上記の通りである。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
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