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不定期発行
11月28日号 |
原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主 |
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ブロークン・スコティッシュ・ケーキ
製造国 イングランド
湖水地方
形状 角缶
内容量 50g
価格 1650円 |
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カタログには、100%ヴァージニアのストレートです。ブラジル、ジンバブエの火力乾燥のヴァージニアに、自然乾燥の甘みとボディーを持ったヴァージニアのミックスチャーとの記載。
ティスティングの成り行きと、ブレンドの構成から一番最初に持ってくるべくして持ってきたタバコである。
さてまずは恒例の外観の確認である、サミュエル、ガースからの分かれとの事なのだろう、缶にはケンダルタバコの表記。
デザインは白と深緑のツートンカラー。
しかし、これはガウィス・ホガース全てに共通している事であるが、ブランド全て同じデザインの缶である。
しかもタバコが入っているのは、他の英国タバコとは違いビニール袋。
合理的で実用的(着香と湿度の保護)とも言えなくはないが、英国タバコとしてはいささか情緒に欠ける。
イギリス老舗メーカー3者の中では、一番の新参者と言う事だろうか。
やや愚痴っぽくなったので話を先にすすめるが、続いて缶裏の表記を確認。
フル・キュアードヴァージニに、リトル・サン・キュアードヴァージニアと書かれている。
タバコ葉の形状は、レディラブド。 |
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さて、タバコの概要説明が終ったところで、肝心の味わいの感想だが、一言で表現して、スコティッシュブレンド。
カタログでは各種ヴァージニアのブレンドとなっているが、着香と思える程のハッキリした香を持っている。
フローラルと表現して良いのか、香水系と表現して良いのか少々難しい所だが、パイプを吸い始めた頃、時々お目に掛かった事のある昔ながらの味わいを感じるタバコである。
あえて表現すれば、蜂蜜系の青臭い刺激と、京都の古いお寺の香を足したようなものか、非常に表現に苦慮する味わいである。
先のジャーマインのフローラルヴァージニアが、この刺激的な香と甘味を、バランス良く押え、別の表情(紅茶など)になる様、巧みにブレンドしているが、これは刺激的な甘さと香が全開になるようなブレンドだ。
まさしくゴールデン・ヴァージニア・マックスのタバコと言って良い。
ただ、この強さが何によって演出されているのだろうか。
「こう言う類の着香なんですぅ」等と言ってしまっては元も子も無い、さらに検証の必要があるだろう。
そこで登場するのが「ブラジリアン・リーフ」。
ブロークン・スコティッシュ・ケーキの強く分かり易い味わい。
これを演出しているのは次のようではないかと推測してみた。
青臭い香をライト・ヴァージニアが補完しさらに甘く。
またブラジリアン・リーフが、お汁粉に入れる塩の役割で味わいの強さを演出しているのではなかろうか。
まあ、なかなか解答がでる問題では無いが、こんなところだろう。
そんな話はさておき、このスコティッシュケーキ。
タバコのブレンドに目を転じてみると、サミュエルガース、ジャーマインに比べると随分明るい 色調である。
ライト、ゴールデンヴァージニア辺りをメインにし、暗い色調のタバコは、せいぜいライトブラウン程度までの様である。
従ってタバコの香、味わいとも華やかで、飴の様な、ややベトつき感のある甘さが前面に出て来る。
その代償と言って何だが、煙に荒さと言うか、辛さと言うか、刺激の強さが感じられる。
ヴァージニアブレンドに、甘味と香を求める姿、ここら辺りにスコティッシュの考え方があるのだろうか。
ハッキリしたフローラルな香と、しっかりした甘味。
私の曖昧な記憶を総動員した結果の結論は、一昔前のダンヒル、ライトフレイク(どうやら現在のライトフレイクは、デンマーク系的な、ライトな味わいに近くなっている印象だ)。
あのヴァージニアフレイクとしては強めの甘さを持ち、独特なフローラルな香だった頃のダンヒル・ライトフレイク、これに良く似た味わいだと思う。
話が散らかったのでまとめるが、ブロークン・スコティッシュ・ケーキは、花様ともフローラルとも取れる香を持つタバコであるが、それがただ蜂蜜の様に甘いだけではなく、一種独特の癖と言うかコクを有している。
味わいに関しても同様、塩が隠し味になっている汁粉の雰囲気がある。
もしガウィスボガードの特徴がこの辺りにあるとすれば、この癖のあるベースタバコがどの様に影響して来るのか楽しみである。 |
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テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
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