不定期発行
2月23日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


ブラウン フレイク

原産国 イギリス(ジャージ島)
タイプ ヴァージニアブレンド
内容量  50g
価格  1,650円
形態  角缶

 完全無香料、ヴァージニアのみのブレンドで、ジャーマインの中で最もベーシックと言えるタバコである。
ティスティングの冒頭に持って来るには最適だろう。
ただしこのブラウンフレイク、私としてはロイヤル・ジャージーシリーズより後に作られたブレンドの位置に置きたい。
その理由は、そのフレイクの薄さにある。
この特異と言えるフレイクの薄さは、ジャーマインの地味な味わいと、ロイヤル・ジャージの特徴である「太めでシットリした葉タバコ」故の燃焼性の悪さを上手にカバーしている。
簡単に言えばロイヤル・ジャージーシリーズの改良ヴァージョンとも思えるのである。
能書きはこの程度として、そろそろ本題に入る事としよう。

形状は商品名にある通りフレイクである。
ただし、そのスライス幅は極端に薄く、通常のフレイクの半分程度。
よくほぐして巻タバコに使えそうな雰囲気である。
あえて比べれば、マクレーランドのブラックシャグと似ている。
くだらない邪推をすれば、マクレーランドの「ブラックシャグ」、シャーロックホームズが愛用した黒タバコとの事だが、このブラウンフレイクがその原型になっていると考えても面白い。(たぶん違うとは思いますが・・・)
色は暗い感じの茶色に、フルヴァージニアに近い黒ぽいタバコが混じる。
さらに、ブラックヴァージニアが、粉を吹いた様に見える部分もある。
その比率は4:3:3位か。
もちろん4は、ブラウンヴァージニアである。

次にタバコの香である。
タバコそのものの香は、やや弱いながらもツンとした酸味。
ヘイタイプがベースにある事は間違いないと考えるが、甘味が弱目で、線が太いと言うか、中々コクのある酸味である。
ヘイタイプの味わいでは物足りないブレンダーが、タバコにコクを求め、様々な処理、ブレンド、試行錯誤をした結果ではなかろうか。
この辺りの、コク(タバコの臭み)と控え目な酸味は、ジャーマインタバコのベースとなっている部分だと感じられる。
ジャーマインの総評で紹介した、最大の特徴である、メリーランドのキャベンディッシュと共に、ジャーマインならではと言ったところか。

早速ほぐしてパイプに詰めるが、刻が細い。
シガレット並の細さである、その分、火付き火持ちは良く、喫煙が楽そうである。(実際、適当にチビチビ吸っているだけで、充分に火もちしてくるれるので、ディリースモークには重宝すると思われる)
火を着けてまず感じるのは、往年の手巻タバコ、サムソンやドラムに共通する、タバコ臭い香。
これが、喫煙一発目の煙立ちにわずかながら感じられる。
パイプタバコにしては珍しいタイプか。
刻が細かいせいか、煙に辛味とやや粉っぽい感じがあるが、フルヴァージニア系の弱い甘味と酸味の中に、臭みのあるコクが感じられる。
あえて表現すれば、シガーティスト。
とは言ってもそれは、キューバ等では無く、安価なミニシガーである。
そう、スマトラ葉を使ったシガリロで感じる積荷臭の様な臭み。
これに近い香りが、かすかながらも感じられる様な気がする(これはただの気のせいかも??)、実に面白いタバコである。
その証拠と言う訳ではないが、ブラウンフレイクを吸った後すぐに部屋を出て、しばらくしてから戻ってみてほしい。
着香タイプや、ラタキアブレンドを吸った時とは一味違ったルームノート(葉巻を吸った後に近い、タバコ臭い香り)を感じる事が出来るだろう。

もっとも、これらはチビチビ、ケチケチとパイプをくゆらせた時の話である。
この地味な味わいの割りには、強めに出てくるタバコ感・臭みであるが、細い刻に起因するものなのだろう。
がしかし、同時にガンガン吸ってしまうと、苦味・エグミ・煙の荒れも出易いと感じている、まあこれも刻の細かさ故だろう。
しかしこのブラウンフレイク、ジャーマインに一貫して流れている(私が感じるだけかもしれないが)独特のタバコの臭みを、良く表しているタバコだと思う。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
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