3.ホモ・ルーデンス(文化は遊び) |
最近、関西でしか放映していないテレビ番組で、心に残る書籍を紹介するコーナーがあったが、そこで「ホモ・ルーデンス」を挙げていたパネリストがいた。 そのパネリストとは、その昔「特徴的なプロレス中継」で、一躍時の人となったフリーアナウンサーである。 しかしこの古典を持って来る辺り、フリーアナウンサーの文化人度が伺える。 う~ん、なかなか粋なはからいだ。 では、早速ホモ・ルーデンスの説明から始めよう。
『ホモ・ルーデンス』 「遊ぶ人」を表すラテン語で、オランダの歴史家ヨハン・ホイジンガの著である。 文化を語るときには無くてはならない一冊だ。 ホイジンガ曰く、「ホモ・ルーデンス」とは「遊ぶ人」のことである。 彼は著書で、古今東西の文化に言及し、その起源に遊びの要素を見出して行き、「遊びこそが人間活動の本質」としている。
著書では、その命題を実証するべく、「遊びの形式的特徴」を次のようにまとめている。
① 自由な行為である ② 仮構の世界である ③ 場所的時間的限定性をもつ ④ 秩序を創造する ⑤ 秘密をもつ
これが遊びの5つの形式的特徴だ。 さらに機能的特徴として「戦い(闘技)」と「演技」を挙げる。
ホイジンガが挙げる遊びの特徴、読書家や物書きからすると、思い当たる事ばかりである。 とっ、展開が少々アカデミックになり過ぎている、話が堅たくて面白くない。 まあ、小難しい事はうちゃっておいて、「文化とは愚にも付かない事を、大まじめに楽しむ事から生まれている」とでも思っておけば、当たらずと言えど遠からず。 特に文学と喫煙を改めて分析してみると、人間が生きて行く為に必要な衣食住とは、全く無関係の文化に属すると言える。 この辺りにも、文学や芸術とパイプ喫煙の相性の良さが見て取れる。
確か、大のパイプ党だった「指輪物語」の著者J・R・R・トールキン、次の様な名言(迷言)を、言ったとか言わなかったとか。 「様々な娯楽や文化は全て神様が作ったものであるが、タバコだけは我々人類が発明した文化である」 しかし、これに対し設計の予言者は、トールキンとは逆の立場を取る。
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(設計の予言者 タバコ語録) 「吹かすのはいい。のむのはあまりよくない。 考える時一服やろうというのは自然にそうなっている。 文化生活をする時代になって、頭を良くする為神様が造られたものである。」 人と文化、文化と喫煙、なかなか興味深い関係である。 話が逸れたので元に戻すが、この「形から始める(文豪気分)」。 ヨハン・ホイジンガが示した「遊びの形式的特徴」を検証しがてら、文学と喫煙についてを、しばし語って行く事としよう。 |
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