１．パイプとコロナ

２００５年に連載が終了したパイプ物語、２０２０年に『パイプ物語２』として再開する事になったが、これは新型コロナのパンデミックが、我々の生活に決して小さくはない影響を及ぼした事に起因する。
様々な娯楽が鳴りを潜め、日常生活すら満足に楽しめなくなっている今日この頃。
減少した娯楽の穴を埋めるべく、煙の友になれるようにと言う願いで、パイプ物語を再開する運びとなった。
しかし、パイプ物語を再開した真の理由は別にある。
『パイプ物語２』ではパイプ喫煙を文化の側面から展開しており、パイプ喫煙のノウハウや、パイプ煙草に関する事にはあえて触れていない。
しかし、これには深い理由がある。
それが今の禁煙ブームに一石を投じる事だ。
現在の魔女狩りやファシズムを彷彿とさせる禁煙ブーム、こんな時代に対処する為にパイプ物語を再開したと言う訳だ。
しかし事態は予想以上に深刻だった。

タバコ離れの時代と言われている「平成」。
令和になったと思いきや、東京オリンピックに新型コロナのパンデミック、これらの流れに乗って施行された屋内全面禁煙。
さらにお国の財政事情による、２０２０年１０月からのタバコ増税。
止めは、今年開催を予定していたパイプの２大イベント、第４６回パイプスモーキング選手権の延期に、東京パイプショウの中止、何処を見ても喫煙文化は最底辺と言っていい現状である。
まさに、喫煙ズンドコ時代到来・・・・・・
間違えました、喫煙ドン底時代の到来である。
ただしこのドン底の時代、見方を変えれば全く別の世界が見えてくる。
仮に現在を喫煙の最底辺であるとした場合、未来から現在を見たとき、今がどんな時代に見えるのだろうかと言う問いだ。
もしかしたら２０２０年は、将来訪れるかもしれない「令和のパイプ喫煙ブーム」、その入り口に立っていた年だったと気づく事になるのかもしれない。

パイプ喫煙には長い歴史がある。
古くは１６世紀イギリスの「第八番目の芸術」であり、最近では戦後間もない日本での流行、こんな具合にパイプ喫煙は繰り返しブームを経験している。
こう言った文化は決して無くなるものではない。
しかし歴史は繰り返すとは言え、そのムーブを起こす為には二つの要素が不可欠だと考える。
パイプ喫煙の流行を喚起する為に必要な要素、まずその一つ目が「原点に帰る」こと。
パイプ喫煙の原点に帰る。
『パイプ物語２』のコンセプト、「人と文化から、パイプ喫煙を見つめ直す」はここから来ている。

次に、新たなブームを創る為に必要なもう一つの要素は何か、それが「次の時代を読む」だ。
折しも最近のマスコミや知識人の間で、盛んに言われているフレーズがある。
「新型コロナウィルスのパンデミックにより、世界は大きく変貌する。」
この大きく変貌する世界に対し、予言学の立場から言及したのが、アマゾンキンドルで出版した『２０４８年神々の設計図』だ。
この展開、有り体に言えば宣伝でしかないが、文化的な側面をメインにした『パイプ物語２』、新しい時代を見据えた予言系ファンタジーがその材料になっている事も、偽らざる事実である。

著書では現在世界を騒がせている新型コロナのパンデミックが、ユダヤ系三宗教（ユダヤ教・キリスト教・イスラム教）が警告している「最後の審判」にあたるのではないかとの、仮説をぶち上げている。

根拠の一つとして『２０４８年神々の設計図』では、神々の計画が二十二年延期された事を上げている。
この延期された年数を三大予言者の予言に当てはめると、エドガー・ケーシーの有名なリーディング、「１９９８年日本の重要な部分が、崩壊しなければならない」が、２０２０年の東京オリンピックの延期と結びつく。
また、ノストラダムスの「１９９９年７の月」は、２０２１年に訪れる災害を警告している物となる予定だ、ただし「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ではあるが。
最後に二十二年の計画延期、２１世紀の新紀元が２００１年から２０２３年にずれ込んだ事をも示唆している。
視点を変えると、神々の計画延期により人類は今、「二十二年遅れの世紀末」を迎えていると言う事になるか。
なお、これらから見て行くと、日本の予言体系におけるラストランナーと言われている、日月神示が警告する「子（ね）の年、真中にして前後十年が正念場」は、今年の２０２０年（子年）を中心にしている事になる。
すなわち、２０１１年の東日本大震災から始まり、２０３１年で正念場のゴールを迎える事を示す物となる。
これに関しては予言系ファンタジーである『２０４８年神々の設計図』でも言及しており、次の時代の基礎が築かれる期間を、２０２１年から２０３１年の十年間としている。
ただし、これらの前提となっているのが、２０４８年の新しい世界秩序完成であり、世界政府や世界大統領選挙などが、近い将来現実化している場合に限られる。
その真偽はさておき（あくまでも予言系ファンタジーなのはあしからず）、これらの事を踏まえ場末の予言屋は大きな歴史の流れを次の様に見ている。

「戦争の時代・経済の時代・外交の時代」
紙面が詰まってきたので話を端折るが、まずは戦争の時代から。
これは１８９４～５年の日清戦争から終戦の１９４５年までの五十年間を指す。
ここでは、武力により世界と言う単位と国の形が定まった。
次が経済の時代で、該当期間は１９４５年から１９９５年までとなり、ここではソ連の崩壊と東西冷戦の終了、さらには１９９５年の円高（１ドル７５円）と、経済の力で世界のグローバル化が進められた。
次に迎えるのが、最後の１９９５年から２０４５年までの五十年間だが、このタームは人類の共存と生き残りを賭けた、外交の時代になると考えている。
戦争の時代のまま、武力による競争を続けていれば、第三次世界大戦が起こっただろう。
また、その次の時代のエスプリ「経済による競争」をこのまま続けるのならば、「生き残りを賭けた資源と食料の争奪戦」が、世界規模で起きかねない。
何せ、２１００年には人口が１１０億人を突破し、食料は現在の１．５５倍必要になると言われている。
しかし、海洋資源の枯渇は随分前から始まっている上、大規模な灌漑によって農作物の生産を行っている世界の穀倉地帯においては、２０３０年辺りから水不足（地下水の汲み上げ過ぎによる）が深刻化すると見られている。
２０１２年人口７２億の時点で、既に９人に１人が飢餓状態だったとの、国連の報告があるにも関わらず、さらに深刻な未来が見えているのだ。
こんな状況にも関わらず、日本での食品ロスは年間１１兆円にも及ぶ。
何とも嘆かわしい事ではあるが兎も角、日本の悪癖は置いておくとして、ここで必要となるのが、地球と人類の共存を視野に入れた、世界の国々の協調関係と言う訳だ。
そこで登場するのが文化的な生活のススメだ。

正直なところ、コロナに怯える今の世の中、「ライフラインを確保する事」のみに汲々としているように見える。
生きて行く為だけを目的とした支出に、無駄な出費は極力避ける生活、これでは経済が活性化する道理は無い。
確かに新型コロナが蔓延するこんな時代、ベースになる生活を確保する事は大切な事には違いないが、それだけで経済を活性化させる事は困難である。
しかしその反面、経済のみに視点を置き、今までの様に市場主義経済の競争ばかりを追い求めて行っても、地球自体のキャパシティーの限界は見えてくる。
歴史の大きな潮流として、経済の時代から外交の時代への転換を求められている現在、経済至上主義からの脱却も視野に入れなければならないと思う。
では、経済の活性化と経済至上主義からの脱却、この矛盾する二つの大きな命題をクリアする為に、我々は何をするべきか。
そこで提案したいのが、我々庶民の日常生活の上に、如何に豊かな文化や遊びをプラスして行けるかだ。
分かりやすく身近な言い方に変えると、「人口の大多数を占める我々一般ピープルが、仕事と生活と遊びこの三つのバランスを、如何に上手く取って行けるか」、ここに経済の活性化と市場主義社会からの脱却がかかっていると考えている。
従って、ここにこそパイプ喫煙の使命、重要性があると言う一つの解答である。
まあ、多分に芝居掛かっている言い回しは置いておくとしても、現在の様な息の詰まる時代を続けて行くのも、そろそろ勘弁願いたい。
そんな思いで、ルイ・ロペスは遊びの部分を担当させていただいている。

なお、この遊びの部分において、『２０４８年神々の設計図』と同じところに目を付けている、国民的アニメや怪獣映画製作を指揮した監督がいるので、最後にそれを紹介しておこう。
「芦ノ湖北岸一体」を舞台にし、国民的アニメとして大ヒットしたＳＦだが（第三東京市と言ったほうが理解が早いか）所在地である仙石原、その最高峰は「神山」だ。
実は『２０４８年神々の設計図』で取り上げている予言者、この神山を日本の中心とすると共に、ここに世界の聖地と言われているエルサレム、その日本バージョンを建設しようとしている。
完成予定は２０２５年。