思えば、パイプ物語を開始する以前の事である。
今から２０年程前の、１９９０年代後半の事だった。
インターネットの普及に合わせる様に、葉巻のホームページが幾つか立ち上がり、静かなブームを呼んだ。
この葉巻ブームに触発され、お休み気味だった特殊喫煙、パイプとシガーを再会する事となった。
そんな折り、ネットサーフィンする中で出会ったのが、当時売り出し中だったリビングショップ安藤さんのホームページ。
インターネットの走りだった時代、リビングショップ安藤さんのホームページは情報量において群を抜いていた。
タバコからアクセサリー類まで、ありとあらゆる物がネットで楽しめた。
ここでさらにパイプ喫煙に触発され、昔買い集めたパイプを押入から取り出し、パイプ生活を本格的に再会させたのが「パイプ物語」の事始めだ。
２００１年の事である。

あれからすでに１５年近くの時が過ぎ、既に時効を迎えた為あらためて暴露するが、「パイプ物語」を始めた裏には幾つかの事情があった。
一つ目が、葉巻のサイトに刺激を受けて再会した特殊喫煙ではあったが、葉巻のサイトに嫉妬していたと言うのが実状である。
その頃の葉巻サイトだが、様々な葉巻をティスティングし、やっぱりキューバ産の葉巻が最高だとか、ホンジュラスやドミニカンも違った魅力がある等と、「タバコの味わいや、その奥深さ」に対する書き込みが大半を占めていた。
それに比べパイプのサイトは、ただでさえ情報が少ない上に、パイプ喫煙の道具や技術、歴史などの周辺情報ばかりで、肝心のタバコの味わいに対する情報が極端に少なかった事だ。
この、葉巻の情報に対しパイプタバコの情報の少なさ、これに憤った結果が「パイプ物語」であり「ティスティング・ノート」、これらを執筆する原動力となった。
我ながら正義感溢れる事である。

パイプブームの頃にあったパイプ雑誌
（当社所蔵品-店内にて閲覧出来ます）

と、その舌の根も乾かぬ内に、ここで本当の裏事情を暴露する事にしよう。
その衝撃の事実とは・・・
もう時効だから白状するが、「パイプ物語」とルイ・ロペスのハンドルネーム、物書きになる為の練習として始めたものだった。
実は趣味が半分ではあるが、ライフワークとして研究を続けてきた事があった、それが「はじめに」で紹介した書籍「2048年神々の設計図」だ。
この辺りの詳細は失敗談もまじえ次で紹介するとして、話しをまとめて行こう。
まあ、あれやこれやの裏話はともかく、「パイプ物語」を掲載したおかげで、パイプに対し十分に勉強する事もできたし、物語の情報を取る為の技術や、構成のテクニックも勉強できた。
何よりも、自分の文章の欠点に気づく事ができたのは大きな収穫だった。
そんな事情もあり、執筆をしながらのパイプ喫煙、この辺りの話題から始めて行こうと考えている。