22.パイプと執筆生活(機材編)

私の執筆生活は「電子手帳」から始まった。

 

当時私は神奈川から品川に通勤していたが、通勤時間の有効利用が目的で、電子手帳を購入したのが執筆用の機材との出会いである。

 

朝の電車内でカレンダーに本日の業務を時間毎に記入し、進捗具合をチェックする使い方、簡単に言えばカレンダーをトゥ・ドゥ代わりにする所から始めた。

 

最初は、スタイラスと言うタッチペンのような物で、画面にローマ字を書いて変換するスタイルだった、今で言うスマホ入力のような感じだ。

 

ただし、ちょっとした思いつきをメモるのには適してはいたが、頭の中で物語が走り始めると、まどろっこしい事甚だしい。

 

そんな訳で現在は、コンパクトサイズのキーボード装備の、テキスト入力専用機を愛用している。

 

某事務用品会社が販売している、あれだ。

 

立ち上がりは早いし、電池二本で長時間の執筆ができるし、余分な機能は付いていないと、まさに物書き仕様に特化したハードである。

 

しかし、その機能以上に気に入っているのが、私を「文豪気分にさせてくれる」ところである。

 

パッと開いて、サクサクと文章を打ち始める、まさに物書き感満載である。

 

パソコンではこうは行かない、またスマホでは、遊んでいるようにしか見えない。

 

このコンパクトサイズのテキスト入力専用機に、現在では珍しいパイプ喫煙が加われば、それはもう無敵である、文豪以外には見えないと言うものだ。

 

そんな訳で、最後に最近のマイブームを紹介し、終わりとしよう。

 

 

【 喫茶店で文豪気取り遊び 】

 

現在は愛知県在住であるが、美濃・尾張と言えばモーニング発祥の地。

 

一日を仲間内とのモーニングから始める、そんな地元住民に支えられている喫茶店も多い。

 

また、喫煙フリーの店も多く(現在は過去形となってしまってはいるが)、ユッタリとした時間をコーヒー一杯で提供してくれる店には不自由しない土地柄だ。

 

モーニングを済ませ、残りのコーヒーをチビチビやりながらパイプに火を入れる。

 

次に紫煙を漂わせながら、これ見よがしにキーボードを広げて書き物の続きを始める。

 

店員などから若干の注目を集めるなどもあり、一端の文豪気取りが満喫できる一時だ。

 

これもパイプスモーカーならではの特権と言える。

あぁ、いい時代だったなぁ・・・・・・

 

しかし、現在は何処もかしこも、猫も杓子も「禁煙、禁煙」。

 

パチンコ屋や路上でさえも、煙草を吸う事はできない。

 

喫茶店で文豪を気取るのは、もはや昔語りと諦めていた時もあった。

 

しかし、そこはモーニングの聖地だ。

 

極わずかではあるが、喫煙フリーの喫茶店が今でも生き残っている。

 

レジ横にお店のマッチが置いてある、まさに天然記念物的喫茶店までもが健在だ。

 

レトロな家具に開けた空間。

ユッタリ目の椅子と木目調の机。

 

そこでパイプをくゆらせながらの執筆、昭和の文豪さながらである。

 

これが現在の、マイブーム。


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