9-1 パイプの味わいについて

2001年12月7日号


さて入門用のパイプの説明も終わり、そろそろ、パイプとはどう言うものかと言う事を、さらに突っ込んだ内容で紹介して行きたいと思う。

その前に、一つ断っておきたい事がある。
何かと世間から悪者扱いされている喫煙だが、タバコとは本来文化であると言う認識をもってほしい事である。
喫煙の起源は「古代マヤ文明」までさかのぼると言われているし、現在主流になっている、ブライヤーパイプの発見にしても、18世紀の中頃だと言われている。
さらに、ブライヤーパイプが主流になるまでパイプ材の王座を占めていたクレイパイプに至っては、18世紀を更にさかのぼる事、400年余の歴史を持っているのである。
そして16世紀末のイギリスにおいてのパイプ喫煙は、「第八の芸術」と称され、当時のロンドンでいっぱしの男と言われる為には、パイプとその使用法の熟練は、イギリス紳士たるものの標準装備だったのである。
ちなみに、現在日本でお目に掛かれなくなった、アメリカタイプの代表的なタバコ「サー・ウォルター・ラーレイ」は、テームズ河畔の邸で一度ならず、シェイクスピアと語り合ったと言われている、実在の人物の名前なのである。
さらにパイプに目を転じてみると、美しく装飾された陶製パイプ、微細な彫刻の施されたメヤシャウムパイプ等、芸術品と言ってもおかしくはない。
又、現在パイプの主流になっているブライヤーにしても、イギリスやフランスの伝統的なクラシックシェイプに、簡素ながら洗練された美しさを感じるし、デンマークのパイプ作家によって作られるハンドメイドパイプ、いわゆるダニッシュパイプと言われるものの、木目の美しさ、デザインの奔放さ華麗さは、まさに彫刻品と言える。

長々と前節を書いた訳だが、ここで日本においてタバコと言えばシガレット(紙巻きタバコ)と言う文化と比べ、想像できないほどの深く長い文化を、タバコ喫煙が持っている事を知っていただきたいと思うのである。
しかし、前述の様なパイプの世界に入り込んで行くのは、パイプの魅力に取り付かれてからにしたいもので、まず最初は、無理のない所で誰でもが経験可能な、パイプタバコの味わいについてを、三章に分けて紹介して行こうと思う。
ここで「何故三章なのか」と疑問を持つ人もいるかと思うので、私の所蔵する本にある、面白い記事を紹介しよう。
その名も「パイプタバコのブレンド」、当時の専売公社(現在のJT)のマスターブレンダー楢崎啓示さんお勧めの「マイ・ミクスチュア」38種が、紹介されているコーナーである。
「マイ・ミクスチュア」についてはここでは触れないが、「パイプタバコのブレンド」の冒頭で説明されている、「用途」「スモーキングタイム」に注目したい。
「用途」は、初心者、やや経験のある人(3〜4年)、かなり経験のある人。
「スモーキングタイム」は、やや経験のある人を基準に、朝昼晩に分け、朝は緩和なもの、夜は喫味が強く、香味の濃いものと言う風に、3段階に分かれている。
そして、この「パイプタバコのブレンド」で紹介されている「マイ・ミクスチャア」を大まかに分類してみると、初心者・朝はアメリカタイプ、やや経験のある人・昼はヨーロッパタイプ、かなり経験のある人・夜はイギリスタイプとなっている。
だから私も、これに習ってではないが、「肺喫煙を楽しむ」「香りを楽しむ」「味わいを楽しむ」の三部構成でパイプタバコの味わい方を、紹介して行きたいを思っている。
これであれば、経済的にも、パイプタバコを購入する事を考慮に入れても、手軽に経験可能な世界であると思う。
ただし、パイプタバコと言うのは、非常に自由度が高い喫煙である。
タバコのタイプで3種類、原料のタバコの種類で10種類前後、さらに使われている香料となると数え切れない程になる。

タバコ葉のみでもこの調子であるので、パイプの材質、パイプのシェイプ、チャンバーの径と深さ、チャンバーの形状、タバコの詰め方とその量、さらにマイ・ミクスチュアまで考えると、まさに十人十色であり、パイプ喫煙のスタイルは、それこそ千変万化なのである。
従って、三章に渡り紹介して行く「パイプの味わいついて」は、私の喫煙スタイルの紹介となる事を、あらかじめ了承いただきたいのである。
とは言っても、趣味と呼んで差し支え無い程度の喫煙経験はあるので、パイプを初めたい人にとっては参考になると考えている。
最後に、「パイプの味わいについて」を一番最初に持ってきた、本当の所を披瀝してみようと思う。
実は私は、葉巻も多少嗜むのである。
そして葉巻を嗜む様になった理由が、その味わいの表現の多彩さに惹かれた所にある。
スパイシー、フルーティー、ぺッパリー、アーシー、ムスク、熟成香、フローラル等、ワインの表現を借りたと言われるテイスティングを見た時、紙巻タバコはおろか、パイプタバコの世界においても、タバコの味わいについての表現は、到底及ぶものでは無いと驚きを隠せなかったのである。
もっともプレミアムシガーと呼ばれているものは、価格が驚くほど高いのもさる事ながら、全てハンドメイドで、タバコのみで作られている訳だから、味わいの表現もそれだけ進んでいるのも頷ける話ではある。
だがしかし、それ以上にパイプタバコの味わいに対する情報の少なさに、口惜しい思いをしたものであり、さらに、初めてのパイプタバコを試す時に、パイプタバコの味わいに対する情報の少なさ故の、不便さを感じたものである。
これが、「パイプ物語」でテイスティングを書き始めた理由であり、「第二部 パイプを楽しみたい人へ」の最初に「パイプの味わいについて」を持ってきた、真の理由でもある。
それでは、これから皆さんを三章に渡り、パイプタバコの「優雅なる味わいの世界」にお連れする事に致しましょう。

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