第六部 「パイプスモーキングの一考察」

2004年7月31日号

29-1 スモークイン 桃山

実に久しぶりのパイプ物語である。
 しかも再開そうそう「パイプスモーキングの一考察」に章を改める事にしたのだが、それもこれもネタに困っての事である。
 表題の「スモークイン桃山」であるが、今までのスモークインネタとは違い、旅行をしてきた歳時記ではない。
 少々パイプに知識のある人であれば既に気付いているかもしれないが、今回のスモークインネタは、今年の4月で国内生産が中止となった、JTパイプタバコの話題である。
 「JT工場でのパイプタバコ生産中止」の一報を聞いてから、いずれは取り上げなければならない話題であると考えていた。
そこで、4月下旬に国内生産のパイプタバコを一式買い揃えておいて、新しいタバコが店頭に並ぶのを待っていたのであるが、6月に入りデンマーク生産の物をあらかた入手し終えたので、吸い比べを開始する事にした次第であります。
そこでまず、JTのパイプタバコの中で最も販売量が多く、一番感心の高い「桃山」からテイスティングを始め、それを表題に据えてみたのである。
 しかし、新しくデンマークに製造委託をする事になったJTパイプタバコを考えるのには、国産時代のタバコに加え、マックバレンに関する情報も検討に入れなければならない。
 又、パイプタバコは製造委託がかなり進んでおり、特に最近のマックバレンは大きな動きを見せているので、その辺りも踏まえて考察して行く必要がある。
 まあ、国内生産物とデンマーク生産物の吸い比べであるので、アイテム数も単純に考えて倍になるので、ジックリと進めて行きたいと思います。

 マックバレン、古くから日本でパウチ物を中心に親しまれている銘柄である。
 以前にも紹介したが、日本に輸入されているタバコは、レディーラブドを中心としたブレンドで、比較的ディリースモーキングに向く印象が強い。
 しかしここ数年間で、パイプタバコの生産統合、新商品の開発など大きな動きをみせている。
 まずはパイプタバコの生産統合であるが、現在はドイツと並んでデンマークが中心となりつつある。
 そのデンマークでシェアを二分しているのが、オーリック社とマックバレン社である。
  オーリック社は、オーリック・ラールセン・オルスボのラインナップを製造。
 そして肝心のマックバレンであるが、近年話題になったスウェーデンマッチ社(ボルクムリーフ・アンフォラ)の製造委託、そして今年に入ってからJT製品の製造委託を開始した。
 スウェーデンマッチ社は国営、JTも元国営(専売公社)と共通点があって面白い。
 と言う事で、マックバレンの昨今を調べる為、新包装のヴァージニアbP、新ボルクムリーフ・レギュラー、アンクル・ルイを試してみた。
 まずはマックバレンのベースを確認する為のヴァージニアbP、新パウチになってからの味わいは「ダンヒル・ライトフレイク」にやや近くなった印象だ。
旧タイプのパウチは「ラールセン・フレイクカット」系だった記憶がある。
この味わいの違いが、ケーシングの違いによるものなのか、経年変化に由来するものかは分からないが、喜ばしい事である。
次に、昨年パイプスモーカーの話題をさらったボルクムリーフであるが、レギュラーに関しては中々上手に作られていると思う。
タバコの見た目はミクスチャーで、レディーラブド(ブロークンフレイク)が特徴のマックバレンとは一線を隔す。
味わいにしても、ボルクム特有の苦味に近い、バッサリ感のあるベースタバコが感じられる。
原料タバコ迄もが、ボルクムリーフと同じなのかは良く分からないが、レシピは忠実に再現されているのだろう。
最後はボルクムの製造依託と同時期に、マックバレンのラインアップに加わった「アンクル・ルイ」であるが、正直見た目はボルクムリーフである。
もっとも懇意のタバコ屋で一回試喫しただけではあるが、それでも「アンクル・ルイ」が、「ボルクムリーフのブレンド技術を応用したラインアップ」なのではないかとの想像は付く。
確か試したのはウィスキーだったと思うが、ボルクムのレギュラーに良く似た雰囲気だった。
ただしベースタバコの芯に、ラールセン・フレイクカット似の味わいが混じって来る。
もしかするとマックバレンの新シリーズのアンクル・ルイは、旧タイプのレディーラブドとボルクムリーフのブレンド技術の融合したものかもしれない。

桃山2
製造 デンマーク
売価 800円
内容量  50g
形態   パウチ包装
 

 
こう考えて来ると桃山も何と無く想像できる。
桃山はラム着香とは言え、JTの説明はイギリスタイプである。
まあ、ヴァージニアにオリエント、ペリック、そしてラム着香と、本場のイギリスでも、そうそうお目に掛かる様な事は無いブレンドではあるが、その形状はミクスチャーである。

とにかく50gになったパウチと、存在感のある100g缶を開けて香の確認から始める。
それと同時に、買い置きしておいた、JTの桃山50g缶にも手を付ける。
確か以前「ハチミツの様な甘み」と書いたが、改めてテイスティングし直すと、ラムとオリエント、ペリックが合わさって、尖った感は有るものの、コクの有る甘さとなっている。
強いて一言で表現し直すと、シアター系の映画館の扉を開けた時プーンと鼻を突く甘ったるい香り、トーストされたキャラメル。
それをさらに少し焦がした感じが最も近いかもしれない。
ん〜ラム、オリエント、ペリックが絡んだトップノートはそれなりに似ている。
着香に関してはマイルドになったとの声を聞くが、確かにツンと来る香の鋭さと、トースト感(こげ臭い感じ)は弱くなっている。
レシピ的には多分、JT物とほぼ同じではないかと思うがしかし、ジックリ双方を比べてみると、決定的に違う所がある。
ここで、桃山がミクスチャーである事に気付いた人は、多分それが正解であろう。
まあその解答は、私が感じたものでしかないのだが、マックバレンの桃山には、ボルクム似のバッサリ感と苦味のあるベースタバコ、この存在をトップノートからも味わいからも感じる。
従って、マックバレン物の桃山が、アンクルルイのラムに似ているとの声も上がっているようだ。
おそらくボルクムリーフの製造依託によって得た、ミクスチャーのブレンド技術を応用したのではないだろうか。
ではJT物はどういった類のベースタバコなのだろうか。
マックバレンとJTの桃山を吸い比べて感じたものから考えると、JT物のベースタバコは缶ピース似の、尖った甘さを持ったものではないかと思う。
JT物に関しては、このピース似の尖った甘さが、ペリックとラム着香を強調しているのではないか。
さらに、ピースやゴールデン・バットで感じるタバコ葉特有の青臭い感じが、JT物の桃山にも有り、それがペリック、ラムと絡む事により、蜂蜜に似た甘さを感じさせるのかもしれない。
また、マックバレンに関しては「独特のバッサリとしたベースタバコ」が香の鋭さと、トースト感のあるコクを弱めてしまっているのかもしれない。
まあ、マイルドになった分吸い易くなったとも言えるし、桃山ファンには物足りないかもしれないが、ボルクムリーフも好きだと言う人には、納得出来る範囲ではないだろうか。
さて、この後はラタキア物の飛鳥と、アメリカタイプのロックンチェアが控えている、ロックンチェアはバーレー中心、飛鳥はラタキア物のイギリスタイプである、桃山=ボルクムリーフの図式の様に簡単にはいかないだろう、まだまだ先は長い。

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