24-2 テイスティングのこだわり2(推奨銘柄)

2003年5月30日号


 さて、前回に引き続き「テイスティングのこだわり2」になる訳ですが、今回は少々変則的になり、これを持ってタバコのテイスティングとさせていただきます。
銘柄は、チャールズ・ラットレイによって作られた、スコットランドのパース市にあるタバコ店のオリジナルブレンド。その中でも、ラタキアの特徴の強いイングリッシュ・ブレンド三種である。
ただし、最初に断っておきますが、パイプタバコも製造工場が変わる事は、茶飯事に起きている様ですので、微妙な喫味が変わる事は充分に考えられます。
したがって以下の文章は、この辺りを考慮した上で読んでいただく様お願い致します。
又、あくまでも一愛煙家の感想の域を出ないので、異論・反論は充分甘受する予定です、お手柔らかに御熟読ください。

 さて前置きはこの位にしていきなり本題ですが、今回の推奨銘柄三種は、イングリッシュブレンドにおける、ラタキアの演出方法を学ぶのに、非常に参考になったのでご紹介させて戴く事にしました。
柘製作所のカタログに、ラットレイ14銘柄のラタキア配合比順の表が掲載されているが、配合比が一番多いのがレッドラッパリー、次がブラックマロリー、3番目にセブンリザーブとなっている。
ここで一つ疑問が生じたのである。
銘柄はレッドラッパリー、カタログにはラタキアの配合率が一番高いとなっているが、自分が吸った時も、パイプ仲間の感想を聞いた時も、それほどパンチが効いた味わいではなかった。
そこで生じた疑問が「カタログのラタキアの配合比順は正しくはないのでは」と言う事であったのだが、しかし、今回の推奨銘柄三銘柄を吸った事により、その疑問は解消した。
吸った感じの、ボディー感、強さは、ブラックマロリー・セブンリザーブ・レッドラッパリーの順であるが、これはラタキアの配合率ではなく、別の物によって演出されたものであると言う考えに至ったからである。
これに関して、三銘柄の簡単なインプレをもとに検証して行こうと思う。
ラットレー・レッドラッパリー

UKスコットランド製
50g入り
2,000円



 
まずは、レッドラッパリー、カタログにある通り繊細な味わいのタバコで、ティンノートも味わいも、思ったよりも甘いタバコだ。
その代わり、ボディー感は少なく、ブレンドの構成要素がそれぞれに立って来る、こんな印象の味わいである。
これと、好対照なのがブラックマロリー、某インターネットのサイトにはブラックキャベンディッシュ配合となっている。
あのアロマティックブレンド独特の、甘いタバコを想像して火を点けたが、一吸いしてみて、大変驚いた。
その衝撃の第一印象であるが、吐いた煙と共に、目の前にラタキアの固まりが出現した様な感覚に陥った。
確かに吸い込んで行けば、ブラックキャベンディッシュの甘味が感じられるのではあるが、カタログに紹介されている様に、極めてフルボディーな喫味のタバコである。
しかしながら、このフルボディーと言う表現、よく使われる単語ではあるが、なかなかに表現が難しく、判断しづらい味わいだ。
そこで、タバコの味わいの表現において、パイプスモーカーより進んでいると思われる、シガースモーカー、しかもベテランの域に達しているであろう人に、このブラックマロリーを吸ってもらった事がある。
このベテランシガースモーカーは、若い頃英国のダンヒルの店でパイプを買った事もあると言う話で、葉巻の合間ではあるが、パイプもラタキア物中心に時々吸うそうだ。

ラットレー・ブラックマロリー

UKスコットランド製
50g入り
2,000円



 
 そこで早速、ブラックマロリーを勧めてみた。
彼は使い込んだダンヒルのプリンスにタバコを詰めて火を点け、シガースモーカー独特の、緩やかに煙を出した後、舌鼓を打つ様にしてタバコを味わった後、一言こうつぶやいた。
「フル・ボディー」
どうやら、このフルボディーと言うタバコの味わい、これは味わいの線が太い(味わいが強いとはやや違うニュアンスである)、簡単に表現すると、繊細な味わいの対極にある表現と言って良いと思う。
この様に見てくると、レッドラッパリーは繊細感を出したタバコ、ブラックマロリーはボディー感を出したタバコを言えそうである。

ラットレー・セブンリザーブ

UKスコットランド製
50g入り
2,000円



 
 では、残りのセブンリザーブはどの様なタバコなのか。
テイスティングしてみた感想を、一言で表現するとすると、極めてスタンダードなイングリッシュブレンドと言った所だ。
使っているタバコそのものは、レッドラッパリーとほとんど一緒とカタログには書いてあるが、これは名前が示すとおり、ディリースモーク用のイングリッシュブレンドの様で、「四六時中吸っていても、ラタキアの特徴が感じられるブレンド」と言う謳い文句も頷ける。
そして、じっくりブレンド内容を確認する様に、吸ってみた時の感想は、レッドラッパリーに比べて、オリエントの配合率が高いと言う事である。
その結果、レッドラッパリーの繊細さや、ブラックマロリーのボディー感は無いものの、ラタキアの鋭さは残しつつも、味わいに芯の太さが出てきて、ラタキアの特徴のシッカリした、ミディアムボディーのイングリッシュブレンドになっていると思う。

 ここで、三銘柄のブレンドの私なりの感想を書いてみよう。
レッドラッパリーは、ヴァージニア、オリエント、ラタキアが絶妙の割合でブレンドされていて、それぞれの味わいが主張しながらも、お互いを邪魔し無い配合で、ボディー感は希薄である。
簡単に表現してみると、レッドラッパリーは、線の細い味わいのタバコを、それぞれの味わいが立って来る様にブレンドされたタバコではないだろうか、と言う事である。(セブンリザーブに比べ、オリエントの配合が少ないか、繊細な味わいのオリエント(ターキッシュ等)を使っているのかではないかと考える)
それに引き換え、ブラックマロリーは、ブラックキャベンディッシュによって、ヴァージニア、オリエント、ラタキアの味わいが一塊にされてしまっている印象で、繊細さや鋭さは無いものの、極めて強いボディー感を演出していると感じる。
レッドラッパリーが、ブレンドを構成しているタバコの繊細な味わいを楽しむタバコとすれば、このブラックマロリーは、ブラックマロリーと言ったパンチの効いたタバコの味わいを、楽しむ為のブレンドと言った所でしょか。
そして、最後のセブンリザーブの感想を書く前に、ラタキアの特徴を知る為に、ヴァージニア:ラタキア=5:5 でブレンドされたタバコを吸ってみたので、その感想を書いてみます。
吸った感じは、思ったより線が細く、ラタキアの独特な臭みはあるものの、ラタキアの癖のある甘味さえ感じ、ヴァージニアの旨味も充分に感じられるタバコであった。
それに比べセブンリザーブは、オリエントによってラタキアにボディー感が加えられ、香りに鋭さを残しつつも、線の太いボディー感のあるラタキアが演出されていると思う。
ただし、ここで使われているオリエントは、オリエントを強調したブレンドに使われる、糖臭が強く、鋭く妙な高音域(あくまでも例えです)に特徴を持ったオリエントではなく、あくまでもラタキアの中低音域を補完する目的の、ややドメスティックな土臭さを持った物であると感じる。
こう考えると、セブンリザーブのブレンドは、ラタキアの特徴を強める為に、ラタキアの持つオリエントの部分を、味わいのトーンが低いオリエントによって補完し、芯の太いラタキアを演出しているタバコだと言う、見方も出来るのではないかと考えた。

 そしてこの様に、イングリッシュブレンドにおいて、ラタキアに対する演出にスポットを当ててテイスティングした結果、次の様な考えに至った。
まず最初の疑問である「柘製作所カタログのラタキア配合比表は間違っているのか?」に関しての、私なりの解答であるが、カタログの配合比表は正しいである。
さらにラタキアと言うタバコについては、香りが強いが線の細いタバコであり、ブレンドの他の要素を邪魔しない特徴を持つタバコではないか。
又、ラタキアはオリエントを母体として加工処理されたタバコであるので、オリエントの配合率により、その表情を大きく変えるタバコではないか。
そしてこの様な特徴のあるタバコであるので、香料材としてブレンドに極少量入れる使い方がある一方、ラタキアを味わいを主軸に置いて、他のタバコを補完やアレンジとして使うブレンドもあるのではないかと考えた次第である。
これは、あくまでも一愛煙家の主観に過ぎないのであるが、しかし、ラタキアと言う加工原料葉の登場が、パイプタバコの中に、イングリッシュブレンドと言うカテゴリーの一つを生み出した事を考えると、パイプタバコのブレンドにおいて、ラタキアの持つファクターの大きさは、一加工原料葉に止まらない程なのではないかと考えさせられたのも事実である。
以上、小難しい事を長々と書いた訳ですが、推奨の三銘柄は、ラタキアを研究するには中々良い材料であると思いますので、興味のある方は一度お試しください。

 さて、話は変わりますが、最近休みがちな「パイプ物語」の事です。
基本的な事は、ある程度書いてしまった為、最近ではかなり込み入った内容を掲載しているのですが、その分一愛煙家としての主観の締める割合が大きくなって来ております。
従いまして、「パイプのこだわり」の章を一端打ち切って、「一愛煙家による考察」の章を新たに立上、突っ込み所満載の文章でも書いて行こうかと考えております。
まあ、次章からはじまる「考察シリーズ」は、あくまでも一愛煙家の主観程度に読み飛ばしてもらえば、幸甚かと存じます。

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