24-1 テイスティングのこだわり

2003年4月29日号


LS安藤さんのホームページで「パイプ物語」を書き始めて早二年。
様々なパイプタバコのテイスティングをして来ました。
そして、長い長いタバコ探求の旅は、いまだ道半ばと言う所ではありますが、日本で購入可能なパイプタバコ全種類のテイスティングと言う、いささか酔狂ながら、壮大なる目的意識を持って取り組んできたお陰で、自分なりのテイスティングのスタイルが出来上がってまいりました。
そこで今回は、私のテイスティングのスタイルを紹介する事で、タバコのこだわりについて触れて行きたいと思います。
さらに、パイプタバコのタイプについてと、ブレンドの妙を体験する為の推奨銘柄についても言及し、パイプタバコにこだわる為の、一助となればと考えております。

 まず最初に、パイプタバコのテイスティングですが、やり方としては2通りあると考えました。
 一つは、ブランド毎に(メーカー&シリーズ)テイスティングして行く在り方で、もう一つが、同じ系統のブレンド毎に(同系統ブレンド・異ブランド)吸い比べる在り方です。
しかし後者は、同じ系統のブレンド(チェリー・バニラ・ウィスキー等)の吸い比べと言った段階で、テイスティングできるタバコが、かなり限られて来る事がわかりました。
さらに、イングリッシュミクスチャーに至っては、同系統のブレンドを選別する事さえ、今の自分ではとてもじゃないが不可能であると判断し、メーカー毎のテイスティングをする事にしたのである。
そこで、ボルクムリーフ、マックバレン、メーローブリーズ、オルスボ、ラールセン等、同一メーカーないし、同一シリーズ全種を、一斉にテイスティングする事にした。

マックバレンに至っては、パウチ8種、缶3種に加えスウィートチェリーなる物まで試し喫煙したが、その結果「どれも同じではないか」と言う感想を持った。
これはあくまでも極論ではあるが、しかしマックバレンを同時期に全銘柄テイスティングしてみた結果、かなりの銘柄に同一の傾向を見出したのである。
それが、ヴァージニアを中心としたベースタバコの存在である。


ここで、タバコのブレンドを考える時の一つの手法である、「タバコの外見の観察」に触れるが、マックバレンは、粗ほぐしのケーク(フレイクと良く似ているが、フレイクほど強圧な圧縮はしない)が、がかなり目立った葉組みになっている。
これはレディー・ラブドと言われる物ですが、マックバレンのブレンドは、実にこの粗ほぐしのケークの使用頻度が高い。
さらに、タバコの味わいにしても、比較的穏やかなヴァージニアbPから、着香の強いスウィートチェリーに至るまで、このケークの特徴が出てくる。
多分、あくまでも多分ではあるが、マックバレンの銘柄の大半が、単一のレディー・ラブドに、バニラや蒸留酒の着香を施したり、バーレーやブラックキャベンディッシュ等をブレンドして(スモーキング ミクスチャー)、様々なバリエーションを出しているのではないだろかと思う。
少々回りくどい表現をしましたが、ぶっちゃけた話、納得出来るだけのベースタバコを一つだけ完成させておいて、後はそれをネタにして、手を変え品を変えて、様々なラインアップを作りだしているんじゃないかと、感じたのです。
もっとも、その範疇に入らないブレンドも幾つかはあると感じますが、しかしマックバレンのタバコの多くは、単一のベースタバコを中心にして組みたてられたブレンドだと言った印象です。

そして、そんな事があってから、私はテイスティングをする際には、必ずそのブランドのベースタバコを見つける事から始める様になりました。
目安としては、フレイクやスパンカット形状のタバコか、その原型をより多く残しているブレンド。
又は、そのブランドでスタンダードされているものか、着香が一番少ないと思われるブレンド(例えば蒸留酒が使用された物等)である。
こうして最初に吸うタバコが決まれば、次にそのタバコの情報を、パッケージの記載や、インターネットから掻き集めて来て、初めてテイスティング開始の運びとなる。
そしてテイスティングを開始したのなら、まず最初に探すのは、前述のヴァージニアを中心にした、ベースタバコの味わいである。
この時レディー・ラブド系のタバコであれば、ブロークンフレイク(ケーク)のみを選別して、試喫してみるのも有効な手段である。
こうして、ベースタバコの味わいに当たりをつけておいて、別のブレンドをテイスティングして行くのであるが、その際、味わいのベースとヴァリエーションと言った所に留意するのである。
そうすると、ブレンド毎の葉組みや、着香等がおぼろげながら見えてきて(私がそう勘違いしているだけかもしれないが)、何を狙ってブレンドされているのかが、解った様な気になるので面白い。
ただし、ラインアップの少ないブランドに関しては、この限りでは無い事はあらかじめ断っておきます。
しかし、話の展開がこうなって来ると、ブレンドについて、もう少し突っ込んで書かなくてはいけないと思いますが、これは紙面の関係上、次章で予定している、「ブレンドに対する一考察(仮称)」に譲る事にして、話を次に進めましょう。


さて、私がテイスティングの基本としている、ベースタバコについて書いた訳ですが、次にブレンドの妙を体験する為のサンプルとして、私が推奨する銘柄について触れて行こうと思います。
紹介するのは、少々レベルが高くなると思いますが、イングリッシュブレンド3銘柄です。
しかし、その前に話がややこしくなる危険性がありますので、タバコのタイプについて軽く触れておきます。
今回ご紹介する、「イングリッシュブレンド」ですが、私が「パイプの長所・短所その3 (タイプ)」で触れている、「イギリスタイプ、アメリカタイプ、ヨーロッパタイプ」とは違う分類の物を意味します。
以前からパイプタバコのタイプを分ける時に使われている「イギリス・アメリカ・ヨーロッパ」の3タイプですが、これはパイプタバコの変遷を、時系列に並べた時の説明としては正しいと思いますが、どうやらこの分類法は、日本独自のものであるとの話である。
何でも、海外のパイプスモーカーの間で語られるパイプタバコの分類法は、ヴァージニアブレンド、イングリッシュブレンド、アロマティックブレンドと言うのが一般的だそうだ。
そしてその簡単な概要ですが、ヴァージニアブレンドは、ヴァージニアオンリーないし、ヴァージニアにペリック等を加えた、ヴァージニアの味わいに主体を置いた物。
イングリッシュブレンドは、ヴァージニア、オリエント、ラタキアを柱として組み立てられたブレンド。
アロマティックは、香りに重点を置き、主にバーレーやキャベンディッシュ、トップフレーバリングを用いたタバコと言えるかと思います。
まあ、この分類も大雑把な物ではありますが、タバコのテイスティングの為には大切な要素となります。

 さて、ブレンドのタイプの説明も終わった事ですし、推奨銘柄の説明をもって今回の話を終えたいと思います。
お勧めするのはラットレイの50g缶3種。
レッドラッパリー、ブラックマロリー、セブンリザーブ、日本のパイプタバコの中で、価格的にも品質的にもトップクラスのラインアップの中で、比較的求め易い50g缶の、ラタキア物3種である。
兎角、「上級者向けのパイプタバコ」等と持てはやされ、その独特の喫味にハマるスモーカーも多いラタキアであるが、上記の3銘柄はこのラタキアを三者三様に上手に演出していると思うからである。
しかも、イングリッシュブレンドであるので、着香に頼るのではなく、タバコのブレンドのみでヴァリエーションを出している、実にブレンドの妙を体験するのに打って付けのタバコではある。
ここで、「タバコはやはりヴァージニアであって、ラタキアのみに着目するのはどうか」と言う意見もあろうかと思いますが、イングリッシュブレンドのコンセプト自体が、ラタキア配合であるので、あえてラタキアの演出の仕方に、こだわっても良いのではないかと考えました。
又、タバコの味わいとは、味覚、臭覚、触覚(口当たり)、視覚などの様々な要因が複合されたものと思いますが、こと人間の味覚と臭覚では、臭覚の方が数十倍性能が良いと言う話を聞いた事があります。
それが故に、モルト等の蒸留酒の利き酒師達は、臭覚に力点を置いてテイスティングをし、200〜400種類もの香りを、選別する事が出来るのだそうです。
そして、この味覚と臭覚の見地から考えてみると、ブレンドのヴァリエーションは香りで出す方が、味覚で出すのより、容易であると推察できる。
もしかすると、その辺りにイングリッシュブレンドの「ブレンド数の多さ」と、現在のアロマティックブレンドの隆盛があるのかもしれない。
話が少々脱線したので、もとに戻すとして、今回の推奨銘柄に関しては、ラタキアを主体として解説して行く理由は、上記の通りである。
ただし、この3銘柄がラットレイの中でも、ラタキアの特徴が良く出ているブレンドであるので、あえてラタキアに重点を置くと言うのであって、ラットレイの他のブレンド(イングリッシュブレンド)の中には、ラタキアを隠し味程度にしか使っていない物もある事は、あらかじめお断りしておきます。

と、そうこうしている内に、残念な事に紙面がかなり詰まって来てしまいました。
突然ですが、続きは次回のお楽しみと言う事で、今回は失礼させていただきます。

作者注:掲載のタバコの葉の画像は、本文中のタバコとは無関係であることをご了承下さい。 次号へ

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