21-1 スモークイン静岡
(第29回 全日本パイプスモーキングコンテスト)

2002年12月17日号


第四部「パイプのこだわりについて」が始まり、2回目もまたスモークイン○○である。
苦し紛れの手抜きだと言う見方もあるが、そうではない。
今回は、第29回全日本パイプスモーキングコンテスト、その規模が違う。
などと書き始めると、まさに手抜きになるのだが、今回のスモーキング選手権は、遠慮させていただく事にする。
昔から私は、試験やコンテストと言うのは苦手な性質である。


コンテストが控えていると言うだけで、前の晩は不安だし、行きの旅程も足取りが重い。
大体、緊張の為にタバコが旨くないのは戴けない。
さらに、ロングバーニングの記録にしても、まるで勝負にならない事はわかっている。
このあたりは、前回の東北大会で充分懲りているのだが、ただ、東北大会の申込書に同封されて来た、「静岡パイプワールド」の招待券に心惹かれたのである。
なんでも、パイプスモーキングコンテストに合わせ、この様な催し物が開かれるのは、始めての試みだとの情報も入って来ている。

記念すべき、第一回パイプワールドに行かない手はない。
と言った具合で、パイプワールドへ行く事になったが、仙台から静岡までの道のりは長い。
前日の土曜日、仕事もそこそこで切り上げ、夜の東北道を、一路東京にむけて車を駆る。
やはり旅行は電車より車に限る。
誰に気がねする事なく、パイプが楽しめる上に、パイプを楽しんでいる間に、目的地に着いている、まさに一石二鳥の趣味である。
取りあえず、やや大ぶりのパイプにタバコを詰めて、いざ出陣である。
お気に入りの音楽に、ハンドルのかたわらには、お決まりの缶コーヒー、そしてパイプの煙、濃密な時間が流れて行く。
しばらく走っていると口に入ってくる煙の密度が落ちてくる。
おもむろにタンパーを取り出し、右手の親指と人差し指でつまむ。
そして、小指をボウルのヒールにあてがい、薬指をボウルの腹に添え、中指はボウルトップのエッジに。
運転中なので、あまり推奨もできないが、片手タンピングも慣れたものである。
1時間以上掛けて、のんびり1ボールを吸いきった後、次のサービスエリアを確認し、二本目のパイプと、詰めるべき煙草に思いを巡らす。
まあ、こんな調子のドライブであるので、立ち寄るサービスエリア、又はパーキングは、「安達太良(あだたら)」か「安積(あさか)」になる事が多くなる。
今回も安達太良で軽い夕食を取った後、2ボール目のタバコをスタンバイし、サービスエリアを後にする。
そして、3ボール目に入るのが、「上河内」と「佐野」の間辺りになるが、ここまで来ると少々タバコがキツク感じ始める。
しかし、東京まではまだ間があるし、首都高に入っても湾岸までには一息ある。
しかも、高速を運転しながらの、タバコ詰め・着火・ファーストタンピングと言う一連の動作は、自殺行為に近い。
喫煙はもう少し先にはなるが、火床作りの所まですませてから、サービスエリアを出発する。
川口ICを越えて首都高に入ったのは、真夜中を少し回ったあたりである。
私のパイプはと言うと、再び煙を上げていた。
さて、明日の朝も早い、今日はこの位にしておこう。

少々遅刻気味に起床し、おまけにJR静岡駅付近でプチ迷子になったおかげで、静岡パイプワールドの会場、「ホテルアソシア静岡ターミナル」に到着したのは正午を少し回った所であった。
急いでパーキングに車を止め、ホテルのインフォメーションを確認する。

どうやら、3階を貸切状態で、パイプスモーキングコンテストと、パイプワールドが開催されている様だが、一階のフロントはパイプの影さえ無く、結婚式待ちの客や、チェックインの客達ばかりで、一般的なホテルのそれと何ら変わりない空気が流れている。

多少の不安を押さえながら、フロアー中央から2階に伸びているエスカレーターに乗った。
ところが、3階のフロアーの様子が見え始めた辺りで、回りの状況が一変する。
まず最初に感じたのがタバコの香りである。
バニラの甘い匂いとか、ラタキアのスモーキーな香りと言った、具体的な香りではないのだが、空気が変ったと感じさせるものがあった。
あえて言えば、ウォーキング・ヒュミドールに入った時の感覚に近い。
そして、エスカレーターを上りきって、グルリと見渡すと、そこには異様な光景が広がっていた。

今回のパイプスモーキングコンテストとパイプワールドは、結構盛況の様子で、3階のフロアーは混雑気味のプラットホームの様な状況になっていたのだが、その大半が、パイプを咥えていると言った光景である。
シガレットを咥えている人は、見事と言って良いほど一人もいない。
皆が皆、それぞれに自慢のパイプをくゆらせながら闊歩している、とは少々オーバーな表現ではあるが、兎に角、右をむいても左をむいても、パイプであった事に間違いはない。
「ロペスさん、遅いですよ」
会場の状況が把握しきれないで、ウロウロしている私の脇から声がする。
今日のパイプワールドで待ち合わせをしていたパイプ仲間である。
ネット上に生息し、毎晩の様にパイプ談義を戦わせている。
「安藤さん(作者)、有田さん来てますよ」
促される様にパイプワールドの会場にはいる。
まず、パイプワールド会場の、入り口正面のフロアーに、右から柘・春山。フカシロとパイプ界の重鎮が机を並べている。
会場内は、右側の壁沿いにパイプ関係のテーブルが、左側にはタバコ関係のテーブル、正面にビデオの上映と言った陣容である。
そして、会場中央には大きな丸テーブルが二つ。
手前のテーブルでは、巨大な水パイプが2本、煙を上げていて、奥のテーブルに見慣れた顔、見慣れない顔が並んでいた。
「遅くなりました」
軽く挨拶して、腰掛けたが、ここもパイプ、又パイプである。
右てでは、外人さんが二人、真っ黒に近いプラグ(塊)タバコを、ハサミでモリモリ崩して、小柄なクレイパイプに詰めている。
左てからは、
「始めまして」
と言う挨拶もそこそこに、趣味で作っていると言う、自作のパイプが、カバンの中からゴロゴロと出てくる。
しかも、感心させられる程の仕上がりでだ。
何でも、安藤さんが連れて来た、作家の卵だと言う話である。
「しかし、中々の盛況ですね」
先ほどの、パイプ仲間に聞いてみる
「いえ、午前中はこんなもんじゃなかったですよ、歩くのも大変な状態でしたから」
全日本パイプスモーキングコンテストの受け付け開始が12時である、会場をチラッと覗いた感じだと、参加者は130人を超えている様子、確かにあの人数が、このパイプワールドの会場に入ったらとんでもない事になるだろう。
と言った所で、私のパイプの煙も良い感じで落ち着いてきたので、会場を一回りする事になった。
まずは大御所三業者から、フカシロさんはローランド・スタンウェル・ツトムと机一面がパイプである。
中央の春山さんは、パイプよりもラールセンを中心としたデンマークタバコが目に付く。
試喫用に用意されたタバコジャーの多さはヨダレ物である。
右端の柘さんはと言うと、イケバナを始めパイプ、タバコ、アクセサリーと、それぞれに充実していて、そのバリエーションの多さに目を見張る。

次に会場右側に目を転じ、入り口から流して、まずは日本ハンドメイドパイプクラブのテーブル、佐藤さんとアマチュアの笠原さんのパイプが飾られている。
そのお隣が、フレスコパイプの碓井さん、新人の岡村さん。


そして老舗の加賀屋さんのテーブルには、リビングショップ安藤さんのサイトでお馴染みの、有田さん、樋口さんのパイプが展示されている。
さらに、加賀屋さんのテーブルの前では、有田さんがホルベックも驚く様なシャンクの細いパイプを吹かしていらした。
「随分変わった形のパイプですね」
 挨拶もそこそこにパイプについて聞いてみる
「いやぁ、昔遊びで作りましてね」
 小振りのパイプを両手で、もてあそぶ様にしながら返事が返ってくる
「しかし、この細いシャンクでは、太い煙道はむりですね」
 さらに、疑問に思った所を訊ねると
「いえ、4mmキッチリと開けてますよ」
 と、事も無げに、またパイプを咥えなおす、流石である。
 しばし足を止め、パイプ談義に花をさかせたが、まだ会場の半分も見ていないので、話を先に進めよう。
 加賀屋さんの隣にテーブルを構えているのが、確かカタツムリの刻印の徳富さん、そして次にこれまた老舗の菊水さん、ダンヒルのパイプが目を惹く。
そして、会場右側のトリは、湘南ハンドメイドパイプクラブである。
中央にはパイプ関係のビデオ上映をしているモニターがあり、中々お目に掛かれないパイプ関係の映像が流れている、しばしの間鑑賞タイムを取る。
 ようやくここで半分である、次に会場左側であるが、入って直ぐに、タバコ関係の著書販売がされているブックコーナー。
しかし残念な事に、パイプ関係の本が見あたらない、やや落胆である。
気を取り直して次のテーブルを見ると、JTのコーナーで、原料タバコの展示が行われている、
始めて見る加工前の原料タバコに少し気分を持ち直して、更に進むと、ダンヒル、ボルクムリーフ、アンフォラ、ブラックアンドマイルド等のお馴染みのタバコがズラリと勢ぞろいしている、壮観と言って良い。


そして最後に訪れたのが、左側のトリ、ネットショップのぱいぷ堂さん、海外の作家物パイプを多数揃えている。
ここに来てハタと気づいた事がある、そう言えば確か、今回来日している作家がいるとの情報が入っているが、見当たらない。
振りかえって改めて会場を見渡してみると、入り口に近い方の丸テーブルに、身長2メートルはあろうかと言う、髭面で少々目付きの恐い外国人がいた。
アメリカのパイプ作家Lee von Erckである。
何やら、有田さん、岡村さんとパイプを手に取って談笑中の模様である。
この機会を見逃してはなるものかと、勇んで近づいて行って耳をこらしてみたが、何せ会話が英語ばかりである、私にはチンプンカンプンだ、情けない。

こうして日本初の試みと言うパイプワールドを一通り見学したのであったが、内容は中々濃いと感じた。
しかし、そこは安月給スモーカーを自認している私である。
恥ずかしながら、整然とディスプレーされたハンドメイドパイプ群の前に、少々気後れ気味だった事はここだけの話である。

まあ、それはそうと、日頃お世話になっているパイプ仲間達との楽しい会話、そしてパイプの煙、プチオフ会の様相を呈した今回のスモークイン静岡であったが、たまにはこう言った催し物も良いものである。
ただし、来年は、もう少しパイプについて勉強してから参加しようと、つくづく自分の不勉強さが身に染みた帰途になったのは、言うまでも無い。

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