16-1 着火とタンピング

2002年7月12日号


 本来なら、この章は「パイプをくゆらす」になる予定であったが、前章が紙面を大幅にオーバーした為、この章を「着火とタンピング」と言う題名にし、急遽追加する事となった。

前章でも触れたが、カール・エーワ・ジュニアは、初心者向けの講座の中で、「最も重要な勉強はいかにしてパイプにタバコをつめ、それに火をつけるかということである(以下省略)」と書いているが、着火の事も大切な事であるとの示唆であろうかとも思う。
であるから、その着火の仕方に合わせ、時々ネット上でも話題になっている、タンピングについてをプラスして、簡単な説明をして行こうと思う。

まず最初に忠告しておかなければいけないのが、パイプは、シガレット(紙巻)、シガーとは、着火の仕方のみならず、タバコの火に対する考え方がまるで違う事である。
また、こんな大形な書き方をしてと、思うかもしれないが、パイプ喫煙に対しては、ある程度の認識を持って臨んでいただかないと、いたずらに挫折する人を増やすだけだと思うからである。
まず、考えてみてほしい。
パイプタバコを詰める所はチャンバーである、和名は「火皿」、平たい表現をすれば、「炉」の様なものと表現して良い。
この「炉」に、しっとりと湿った大きめのキザミタバコを詰め、空気の流入を調節しながら、タバコをユックリと燃焼させて行く、これがパイプ喫煙である、これはタバコを吸うと言うよりは、「たたら」等の火の管理に近い趣がある。
そして、その違いは、パイプに火を入れる時に顕著に表れる。

ここで、再度認識してほしい事があるが、カール・エーワ・ジュニアにより、初心者向けの講座の中で忠告されている、「最も重要な勉強はいかにしてパイプにタバコをつめ、それに火をつけるかということである」であるが、これはパイプ喫煙では無いと考えても過言では無いと言う事である。
どう言う事なのだと、いぶかしむ人もいるかと思うが、このパイプを詰めて、火を入れて、最初のタンピングを終わらせるまでの手順は、あくまでもパイプ喫煙の準備に過ぎない。
そして、ここまでの準備の出来不出来が、その後のパイプ喫煙本番を大きく左右する事となる。

良くパイプ入門書等に、「タバコにマッチなどでまんべんなく火を付けてから一度パイプ内の煙を吹いて出し、膨らんできたタバコの葉を、タンパで平らに押さえる。」と言う記述を見かけるが、これはパイプに火を入れる手順ではあるが、目的では無いと考えている。
では、何が目的なのか、それは、快適なパイプ喫煙の準備として、火を満遍なく、しかも容易にタバコに乗せる(着火)為の、「火床」を作ると言う事だと考えている。
この辺りは、葉巻喫煙の準備手順に良く似ているので、紹介させていただく。
葉巻の着火は一種独特で、葉巻を45度程度に傾け、マッチ等の火がフットに直接当たらない様(1cm程度上)にかざして、ユックリと葉巻を回しながらフットの全体を均一に炙る様にします。
そして、フットのラッパー全体が1ミリ程度白い灰になり始めるまで待って、それから本格的に吸い込みながら火を入れて行きます。

(注)パイプの場合は白い灰ではなく、黒く炭化するに、読み替えてください。
この準備のあり方は、パイプ喫煙にも大いに参考になる方法だと思う。
もっとも、パイプの場合の着火は、ボウルトップにかざした火を、招き入れる様に、吸いながらの着火になるのだが、満遍なく、しかもある程度の厚さの火床が形成できる所まで、タバコを炭化させる所は、葉巻の着火と良く似ていると思う。
もしここで、あせって部分的に炭化しきれない個所を作った場合、いくらタンピングで平らにしても、その部分には火が乗りにくいばかりか、再度タバコの炭化による膨らみが生じて来るので、追加でタンピングしなければならなくなる。
であるから、パイプに火を入れ、最初のタンピングを行うまでは、念入りにしっかりとタバコを炭化させる事が大切なのである。
そして、綺麗な火床が作れた時は、2回目の火入れの時、実に気持ちよく全体に火が乗ってくれるし、パイプ喫煙も快適に経過して行く。
従って、タバコを均一に、適切な固さで詰め、タバコ全体に満遍なく着火できる様な火床を作って、初めてパイプ喫煙の準備が整ったと考えてほしい。
ここで補足をしておくが、タバコは固めに詰めるほど、着火時のタバコの膨らみは大きくなり、柔らか目に詰めた時は膨らみは少ない。

しかし、パイプの準備段階も終わり、無事パイプに火が入っても、次にパイプ喫煙中のタンピングが待っている。
前述した様に、パイプ喫煙は「空気の流入を調節しながら、タバコをユックリと燃焼させて行く」訳であるが、ここでもシガレット等とは、異なる部分が出てくる。
一言で書くと、タバコは灰になると密度が低くなる、いわゆる空気の通りがスカスカになると言う事である。
さらに、もう一つ考えられるのが、徐々にチャンバーの底に向かって炭化して行くタバコであるが、この炭化の過程でも、タバコの葉は膨張しているのではないかと言う事で、これもタバコの密度を低くする。
その結果、喫煙開始からしばらく吸っている内に、徐々にタバコの煙は薄くなって行き、その吸い込みも軽くなって行く、そして、そのまま吸い続けていると、火が消えてしまう事も良くある。
この様に、吸い込みが軽くなったり、煙の立ちが悪くなったりし始めたら、2回目のタンピングである。
スカスカになった灰を、上から押さえ込む様にタンピングするのであるが、強さは火床を作った時と同じ加減で、軽くパイプを吸いながら行うのが一般的だと思う、上手くタンピングできれば、パイプの煙は再び濃く安定した物になる。
そしてこの時、チャンバー内壁にへばりつく様な燃え残りがある場合は、チャンバー壁から剥がす様にタンパーで崩して押さえ、火床にしてしまう。
その後は、追加で火を入れても良し、少し強めに吸ったり吹き戻したりして、火を回しても(延焼させる)良しである。

こんな感じで私は、喫煙中のタンピングを行っているが、どうもチャンバーの底に近づくにつれ、タンピングの回数は増え、喫煙も難しくなってゆく様に思う。
多分、喫煙中に発生するジュースや、チャンバーの形状、煙道の位置等が関係していると思うのだが、パイプに詰めたタバコをキチンと全部灰にする事は、中々に神経を使う事ではある。
そのあたりは、まさに煙とタバコに相談しながらの喫煙となるが、この微妙な塩梅がわかる様になるには、あくまでも経験、場数を踏むしか無い所である。
そして最後に、タンピングの時のタバコの灰の処理に触れてこの章は終わりとしよう。
あくまでも私流ではあるが、タンパで押さえた灰は捨てないで、火床の上に重ねる様に押し込んで行く。
もっとも、タンピングした後、粉状になってしまった灰は、ボールを逆さにして捨ててはいるが、どうも火持ちは灰を残した方がよさそうである。
ただし、完全に火が消えてしまい、尚且つ、灰が邪魔をして、火床まで火が届きにくい様な場合は白い灰の部分を落とし、再度タンピングして、平らな火床をつくる様にはしているが。

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